LLVMプロジェクトは3月5日(米国時間)、「LLVM Project Blog: Clang is now used to build Chrome for Windows」において、Google Chrome 64からWindows版ChromeのビルドにはLLVM Clangが使われていると伝えた。これでChromeはWindows、macOS、Linux、Chrome OS、Androidとすべてのプラットフォームで、LLVM Clangを使ってビルドが行われるようになったことになる。
LLVM ClangはMicrosoft Visual C++ (MSVC)と互換性があり、MSVCコンパイラでビルドしたプログラムとLLVM Clangでビルドしたプログラムをリンクして利用することができる。LLVM ClangがVisual Studioの代替というよりも、Visual Studio向けの追加コンパイラとして利用できるとされている。
MSVCコンパイラでビルドした場合とLLVM Clangでビルドした場合のアプリケーションは、ビルド時間、バイナリサイズ、パフォーマンス、安定性などさまざまな面で違いがある。しかし、それらはどちらでコンパイルしてもそれほど大きな差はないように見える。
しかし、Windows版のChromeをLLVM Clangでビルドできるようにすることにはいくつかの利点があると言われている。そうした利点の1つとして、クロスコンパイルの実現が挙げられている。デフォルトのC/C++コンパイラとしてLLVM Clangを採用するプロジェクトは増えており、開発も活発に進められている。