英Armは3月6日、次世代のユーザー体験を実現する画期的なソリューションとして、ビデオプロセッサ、ディスプレイプロセッサ、グラフィックスプロセッサによって構成される「Maliマルチメディア・スイート」を発表した。

近年のスマートフォンは、市場ニーズにより、今まで以上に複雑なコンテンツを処理することが求められている。現行の普及機や低価格機器に対してもユーザーの要求は高まっており、表現力豊かな多層型のユーザー・インタフェース(UI)や、最新の幅広いアプリケーションやテクノロジーへのサポートは、必須条件となっている。

そうした状況をうけ、機械学習は、もはやハイエンドのプレミアム・スマートフォンだけに求められる技術ではなくなっている。現在、機械学習を活用したアプリを活用したアプリを手軽に利用できることが期待されており、3Dゲーム、複合現実(MR)、4Kコンテンツなどの普及に伴い、普及型モバイル機器の限界を超えたゲームが台頭している。

今回発表されたMaliマルチメディア・スイートは、デジタルTVと普及機/エントリー機のスマートフォンでプレミアムな体験を演出することのできる「Mali-G52 / Mali-G31 GPU」、より複雑な規格の映像を普及機種のスマートフォンやデジタルTVで効率的に実現する「Mali-D51ディスプレイプロセッサ」、4K60/4K120コンテンツを、普及機種のスマートフォンやデジタルTVで効率的に実現する「Mali-V52ビデオプロセッサ」という3つのIP製品から構成される。

なお、今回発表されるIP製品群はどれも、DynamIQベースのCPUなど既存のArm IPともシームレスに連携するものであり、Armは「モバイル機器やデジタルTVなど普及機向けの次世代ソリューションは、1つの完成形に到達する」と説明している。同社は今後、今回発表した普及機向けの製品を通じ、魅力的なユーザー体験を届けることを目指す。