明治大学は、同大の研究グループらが、インタラクティブな化粧品パッケージ「化粧鏡パッケージ」と「透過スクリーンを用いたネイルアートパッケージ」を開発したことを発表した。
この成果は、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明教授と先端数理科学研究科の加藤邦拓氏によるもので、朝日印刷の協力のもとで進められた。同社は今後、この研究の成果を踏まえ、パッケージの製品化を進めていくとしている。
この研究では、宮下教授と加藤氏の研究成果である「ExtensionSticker」技術を応用し、スマートフォンと組み合わせることで、メイク支援システムとして使用できる化粧品パッケージを開発したもの。
「化粧鏡パッケージ」は、スマートフォンのフロントカメラを使用して化粧することを想定したもの。スマートフォンをパッケージにはめ込み、パッケージの上部に導電性インクで印刷されたダイアルインタフェースを触ることにより、スマートフォンの画面を化粧品で汚すことなく操作できる。
一方、「透過スクリーンを用いたネイルアートパッケージ」は、スマートフォンの画面に映るネイルアートをハーフミラーと透過スクリーンを用いて、ユーザの爪に投影するもの。パッケージ上面に裏返しに置かれたスマートフォンは物理的には操作できないが、パッケージに導電性のインタフェースを印刷し、そのインタフェースを触ることで操作可能となる。
この研究は、3月5日〜7日に開催されるシンポジウム「インタラクション2018」において、「タッチパネルを拡張する紙製インタフェースを搭載したインタラクティブパッケージの開発」と題して発表される。
なお、ExtensionStickerは、タッチパネルディスプレイに貼り付けるだけでタッチパネル外からのタッチ入力を転送可能とする技術。導電性の縞模様を印刷したシールによって、ユーザがタッチパネルに直接触れずとも、シールをタッチすることで、タッチ入力やスクロール操作のような連続的入力を発生させることができる。