三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)は3月5日、豊島区役所で区民が「特別区民税・都民税(住民税)証明書」の交付を受ける際、"専用ペン"を使用してペーパーレスで交付申請を行えるシステムの実証実験を開始したことを発表した。

実験対象の「特別区民税・都民税(住民税)証明書交付サービス」は、区民が課税証明書・納税証明書の交付を申請する際に利用するサービス。今回の実験では、プロジェクターで表示された様式イメージに専用ペンで入力する「プロジェクションマッピング技術」を活用した、MDIS開発のペーパーレス受付システム「らくかけくん」を使用することで、ペーパーレスで申請することができる。

  • プロジェクターで様式イメージを投影

    プロジェクターで様式イメージを投影

  • 投影イメージに専用ペンで直接記入して手書き文字認識を行う

    投影イメージに専用ペンで直接記入して手書き文字認識を行う

区役所を訪れた利用者は、窓口に設置された専用記載台にて、上方のプロジェクターから投影されたイメージ上に、専用ペンで必要情報を入力。記入された文字は、文字認識技術によってデータへと変換される。実証実験では日本語と中国語の二カ国語へ対応。また、担当者は、窓口アプリで入力結果の確認や申込書の管理が可能だ。

  • システム構成イメージ

    システム構成イメージ

これまで「特別区民税・都民税(住民税)証明書交付サービス」では、名前・住所・生年月日などの記入箇所の多さや、年間3万件以上ある申請の管理負担の大きさといった問題点があったという。同システムを活用することで、従来の紙の申請用紙やディスプレイモニターと比べて、大きな文字で表示することができるうえに、記入ガイダンスが表示されることから、利用者の利便性向上に期待できるとしている。

  • 導入効果イメージ

    導入効果イメージ

同社は、今回の実証実験を評価して「らくかけくん」のさらなる機能拡充と利便性向上を目指すとともに、自治体の申請窓口、小売店の各種申し込みカウンター、金融機関の店舗、ショッピングモールでのカード申し込みなど、さまざまな業界への拡販を検討していく。