凸版印刷は3月1日、2016年4月に発生した熊本地震によって被害を受ける前の熊本城の姿をVRで再現し、バーチャル見学ができるVR作品『熊本城』を制作したことを発表した。

同作品は、3月3日より熊本県熊本市中央区の「熊本城ミュージアムわくわく座(旧:歴史文化体験施設 湧々座)」にて一般公開される。開館時間は9:00〜17:30(入館は17:00まで)、入館料は大人300円、子供(小中学生)100円。

  • 熊本城の被災前のVR再現(上)と、江戸時代中頃のVR再現(下)

    熊本城の被災前のVR再現(上)と、江戸時代中頃のVR再現(下)

VR作品『熊本城』は、凸版印刷が 2011年に制作した、江戸時代中頃の熊本城の姿を再現した作品。五重・三重の櫓(やぐら)が立ち並び威容を誇っていた江戸時代の熊本城を題材に、城郭建築および熊本城研究の専門家による学術監修のもとに制作されている。

制作には平面形状と柱割が把握できる重要な史料である「御城内御絵図(おんじょうないおえず)」と、立面意匠が表現された「御城図(おしろず)」などの古図面を参照したほか、宇土櫓(うとやぐら)や天守閣、本丸御殿などの建造物や石垣を詳細にデジタル撮影した画像を活用して作られている。

今回、被災前の熊本城内の櫓や石垣などをデジタル撮影した約4万枚におよぶ写真データなどをもとに、被災前の熊本城の姿を精緻に再現したデータを制作し、同作品をアップデートしたという。

「わくわく座」では、専属ナビゲータが VR 空間を自由に動き回れるコントローラを用いて、江戸時代と被災前の熊本城を切り替えながら、熊本城内が案内されるということだ。