Armは、セルラーIoTデバイス向けにセキュアなアイデンティティ(認証情報)を提供するソフトウェア・スタック「Arm Kigen」ファミリを発表した。

SIMカードは、これまで堅牢性・信頼性と実績を兼ね備えたメカニズムとして、携帯電話などのセルラー・ネットワーク機器にセキュアな認証機能を提供してきたが、従来型のSIMの場合、機器へ取り付けた後は、所有者の変更ができず、また移動体通信事業者(MNO)を変更する際には、物理的にSIMカードそのものを変更する必要がある。

一方で、IoTの普及にともない、その機器の数が増大すると、SIM技術をIoT機器に搭載するには、コストとサイズを低減させる必要がある。そのため、現在では組み込み型SIM(eSIM)や、SoC統合型SIM(iSIM)などが登場するようになってきた。

Kigenは、GSMA Embedded SIM Specificationsに準拠して、セルラーIoT向けにセキュアな認証を実現する、機器メーカーとサービス・プロバイダの両者を対象としたソリューション。ハードウェア・セキュリティを強化するオンチップのセキュリティ・エンクレーブ(Arm CryptoIslandなど)と組み合わせることで、マイコン、セルラーモデム、およびSIMを1チップSoCに統合することを可能とし、IoT機器のコスト削減を実現するとしている。

また、高い拡張性を有し、コードサイズの小さいGSMA準拠のソフトウェア・スタックであるArm Kigen OSを活用することで、IoTデバイス用SoCへのSIM機能の統合が可能になるほか、モジュール設計による柔軟性が確保されているKigenのリモート・プロビジョニング・サーバソリューションにより、MNOやIoTプラットフォームの管理サーバに容易に統合できるため、すでに同技術は、BT、SoftBank、Sprintといったエコシステムの主要企業からも支持を獲得しているという。

  • 「Arm Kigen」のイメージ

    「Arm Kigen」を適用した際のイメージ