デルとEMCジャパンは2月23日、都内で記者会見を開き、コンバージドインフラストラクチャ(CI)の次世代版となる「Dell EMC VxBlock System 1000」を発表した。価格は個別見積もり。

  • 「Dell EMC VxBlock System 1000」の外観

    「Dell EMC VxBlock System 1000」の外観

新製品は、多様なタイプのワークロードをサポートできるように設計されており、ストレージアレイ、データ保護、コンピュート能力と、幅広い選択肢を提供する。オールインワンのマルチテクノロジーデザインは事前検証が行われ、ITインフラストラクチャのライフサイクル管理のさらなる簡素化を図っているという。

EMCジャパン コンバージドプラットフォーム&ソリューション事業本部 vArchitect ディレクタの三邉洋一氏は、そのほかのCI製品との違いについて「エンジニアード、製造、マネージド、サポート、維持の5つの要素を1つのターンキー製品として提供する点だ。ただのバンドル製品ではなく、1つのプロダクトであり、完成された製品だ」と、胸を張る。

  • EMCジャパン コンバージドプラットフォーム&ソリューション事業本部 vArchitect ディレクタの三邉洋一

    EMCジャパン コンバージドプラットフォーム&ソリューション事業本部 vArchitect ディレクタの三邉洋一氏

また、低い運用コストや5年間で最大640%のROI(投資対効果)といった従来のCIのメリットと変わらないものの、前世代までのVxBlockシステムとの比較において、新製品は拡張性の単一システムに多くのテクノロジーを統合/共有し、単一のアップグレードプロセスでマルチテクノロジーシステムを実現するとしている。

さらに、1:8のマルチシステム管理プラットフォーム「AMP-VX」で一元管理が可能なことに加え、バックアップとリカバリは工場出荷時に統合しているためデータ保護を可能とし、NVMe(NVM Express: PCI Expressを通じ、不揮発性ストレージメディアを接続するための論理デバイスインタフェースの規格)により高パフォーマンス、低レイテンシの要件に対応するという。

  • 「Dell EMC VxBlock System 1000」の概要

    「Dell EMC VxBlock System 1000」の概要

これにより、従来の製品と比較してアジリティ、データセンター(DC)の効率化、運用環境の簡素化が強化されているという。

アジリティに関しては、従来はVxBlock 350はUnity、同540はXtremIO、同740はVMAXとストレージアレイは決まっていたが、新製品は「Dell EMC Unity(350F、450F、550F、650F)」「VMAX(250F、950F)」「XtremIO(X2S、X2R)」「Isilon(F800、H600、H500、H400、A200、A2000)」の4つのタイプのストレージアレイ、「Cisco UCS Bシリーズ」のブレードサーバ、「Cisco UCS Cシリーズ」のラックサーバ、およびDell EMCのデータ保護製品を選択することを可能としている。

  • 4種類のストレージストレージオプションを備える

    4種類のストレージストレージオプションを備える

これらのすべてを1つのシステムとして利用でき、従来の世代との比較で新製品ではサーバのスケーラビリティが56%向上(512サーバから800サーバ)し、サポート可能なストレージアレイ数も10アレイに強化されている。

  • アジリティの概要

    アジリティの概要

DCの効率化については、リソースをプールしてシステム利用を最大化することで、無駄な容量の発生をなくし、ROIを高めつつ最大60%のラックスペースの省スペース化を実現するという。

多様なリソースを単一システムにプールすることで、ユーザーはビジネスやワークロードの要件が変化した場合に連携のない複数のシステムで作業して管理するのではなく、プールしているコンピューティング、ストレージ、データ保護などのリソースを指定のアプリケーションへ割り当てたり、再割り当てしたりすることを可能としている。

  • データセンター効率化の概要

    データセンター効率化の概要

運用環境の簡素化では、ライフサイクル全体を通じた保証とともに、ターンキーエンジニアードシステムが運用環境を簡素化するとしている。

これにより運用管理者は、管理の負荷から解放され、企業戦略のための新たな業務に集中することができるほか、複数のテクノロジーの組み合わせをネイティブにサポートするため、DCのフットプリントも小さくなり、物理的なインフラストラクチャ、インフラストラクチャ管理、ライフサイクル管理の簡素化がさらに高まるという。

  • 運用環境簡素化の概要

    運用環境簡素化の概要

また、日常的な管理とサポートが必要なコンポーネント数が少なくなるだけでなく、マルチテクノロジー環境で全体的なシステムライフサイクル管理に要する時間を最大75%削減できるとしている。

三邉氏は「ライフサイクル管理の肝となるのが『Dell EMC RCM(Release Certification Matrix)』だ。これは、VMwareやCisco、ストレージそれぞれのソフトウェア、ファームウェアのメジャーグレードアップデートを年2回提供する。そして、一元管理を行うのがAMP-VXとなり、拡張性とデータ保護を備える。PowerEdgeサーバとvSANでクラスタを組み、Data domein 2200を組み込み、AMP-VXのバックアップも行う」と説明した。

  • RCMの概要

    RCMの概要

  • AMP-VXの概要

    AMP-VXの概要