村田製作所は23日、仮想センサプラットフォーム「NAONA」(ナオナ)と実証実験をPhone Appli社および、社会福祉法人親和福祉の会 親和保育園と開始したことを発表した。
セラミックコンデンサや圧電製品や通信、電源モジュールをはじめ、あまたの種類の電子部品。スマートホームや医療、自動車、モバイルやPC、産業機器と製品やソリューションにロボットと関わる分野も非常に幅広い村田製作所。同社の社是には独自製品の供給も理念として掲げられている。創業者村田昭氏の独自製品追求のスタンスは同社公式Webサイトの隅からたどり着ける漫画「不思議な石ころ」(総44ページ)にも垣間見える。実家の商売を手伝う若き日に同氏の父親から同業者の仕事を横取りしてどうする!と叱責された末に独自の形の特殊磁器を京都で手がけることに成功している。
そんな同社が手がける仮想センサプラットフォーム「NAONA」は人々が集まる"場"を分析しようというものだ。センシンの対象を人やモノからこの"場"に拡大することで人間同士の親密度や場の雰囲気を空間情報として可視化しようという試みだ。飲食店や小売店の店内の雰囲気や質を含めた活況度、オフィスにおける会議室や執務室の快適性や生産性など数多くのセンサを作る同社のアイデアが期待されるプラットフォームだ。
今回発表された実証実験は、Web電話帳アプリケーション「PhoneAppli Web電話帳」をはじめ、人と人、人とモノの新たなつながりを形にするPhoneAppli社とともに音声特徴量をもとにした会話の質やコミュニケーションの質の見える化。神戸市の親和保育園とは、カメラやウェアラブルデバイスを用いないより自然な形でのセンシングを用いて、子どもたちの雰囲気や感情を把握する取り組みだ。"場"のデータからはどんな分析が生まれ、どんなサービスが生まれるのか?仮想センサプラットフォーム“NAONA”の取り組みは今後も注目だ。