Infineon Technologiesは2月13日(独時間)、自社のIGBTモジュール「EconoDUAL 3」にAC出力での電流モニタリングに使われるシャント抵抗を内蔵したモデルを追加したことを発表した。

次世代インバータとして求められる長寿命、低コスト、電力密度の向上といった課題に対し、半導体業界は従来、IGBTやダイオード、配線技術の電気性能の改善などで対応してきたが、同モジュールではシャント抵抗を内蔵することで、外付けの電流センサを不要にでき、システムの省スペース化、部品コストの低減、製造の省力化が可能になると同社では説明しているほか、シャント抵抗を内蔵したことにより、広い温度範囲で電流の測定精度を高めることができるようになるため、高精度のモータ制御が可能になるともしている。

今回投入されたシャント内蔵IGBTモジュールは、1200Vで300A~600Aの電流範囲に対応したものとなっており、同社では汎用モータードライブ、無停電電源装置(UPS)、太陽光発電といった多種多様な用途に使用でき、農業用車両や商用車、バスなどにも最適だと説明している。

なお、450A品と600A品はすでに提供を開始しているほか、300A品が2018年3月に発売される予定だという。また、3品種ともに対応した評価キットが2018年半ばより提供開始となる予定ともしている。

  • Infineonのシャント抵抗内蔵IGBTモジュール

    Infineonが開発したシャント抵抗内蔵の「EconoDUAL 3」IGBTモジュール