Twitter Japanは2月20日、同社がどのようにAIを活用しているかを、同社 シニアマーケティングマネージャー 森田謙太郎氏が、1月下旬にサンフラシスコ本社で取材した内容を踏まえ説明した。
現在、日本におけるTwitterの月間利用者は4500万人で、最近はツイートだけでなく、情報収集のため、天気、災害、ニュース・スポーツの経過、混雑状況、感想などを検索するケースが多いという。
AIの3つの活用分野
Twitterでは、画像認識、タイムライン、広告の3つの分野でAIを利用しているという。
画像認識は、トリミングで利用するために2011年から搭載され、当初は顔認識と同等だったが、顔のない画像や、動物の場合なども考慮し、新たに視覚的顕著性予測を搭載したという。
この機能は、人が注目するエリア(顔、文字、動物、はっきりした明暗)に着目し、それが切れないようにトリミングを行っていくというもの。
画像認識は、危険なツイート、広告ポリシー違反の検知でも利用されているが、AIを利用したフィリタリング後、最終的に人が判断しているという。
そのほか、2016年6月に買収したMagic Ponyによって、元の画像より画質をあげることにも利用しており、手ぶれ補正にも活用できるという。
タイムラインでは、重要なツイートをタイムラインのトップに表示することに利用しており、利用者の興味に応じて、表示順序を最適化しているという。
重要なツイートかどうかの判断基準は、鮮度(新しい)、画像や動画の有無、リツイートやいいねの総数、ツイートの出し主への反応(リツート、いいね)実績、日頃のツイートへの反応が考慮されており、Twitterでは、この機能を搭載以降、利用頻度、利用時間が大幅に伸びたという。
現在、TwitterのAIは機械学習(明示的なプログラムがなくてもコンピュータぶ学習する)からDeep Learning(機械学習の発展系で、データの特徴を自ら見つけるもの)へ移行中で、今後は文脈、会話内容も加味されていくという。
そのほか、リンクのクリック、長尺の動画の閲覧が1日の後半に行う傾向が高いため、時間帯も考慮してタイムライン表示を行っているという。
広告に関しては、AIを広告の反応予測に利用しており、これにより最適配信を行っている。
反応予測は、利用者DB、広告DBの連携により行っており、利用者DBには、年齢、性別、興味関心(フォローや反応)、広告DBには広告の目的、ターゲット、入札額、内容が格納されている。
反応予測は、広いターゲットの中の誰に配信するのかを最適化するもので、実際に広告をクリック人から同じ属性の人を割り出しに配信するという。
森田氏は、今後精度をあげていく要因として、ビッグデータの規模(利用者数、ツイート数、反応数)、AIの仕組みの進化、処理スピードや圧縮技術進化の3つを挙げた。