ロームは2月20日、ストップランプなどの車載用途に向けた完全銀レスの高光度赤色LED「SML-Y18U2T」を開発したと発表した。

車載向けストップランプでは、LEDの個数を減らすために高光度製品が求められるが、環境ストレスにより金属材料が腐食する硫化が生じ、信頼性を確保するために対策を施すことが求められていた。

LEDの光度低下の主な要因は、素子ボンディングに用いられるペースト部の黒変とされていることから、同社は今回、素子からパッケージングまでの一貫生産という強みを生かし、ダイボンディングに金スズ(AuSu)、ワイヤに金、そしてフレームに金パラジウム(AuPd)を採用することで完全銀レスを実現。これにより、硫化試験では、銀メッキフレームおよび銀ペーストを使用した従来品が、1サイクル(24時間)後に70%、10サイクル後に60%と時間が経つにつれて光度残存率が低下していくのに対し、今回の開発品は10サイクル(240時間)後もほぼ100%の高い光度残存率を維持することが確認されたという。

なお、同製品は2月よりサンプル価格200円(税別)にてサンプル出荷を開始。2019年4月より月産100万個の体制にて、量産を開始する計画としている。

  • ロームが開発した高光度赤色LED

    ロームが開発した完全銀レス高光度赤色LED