TDKは2月13日、各種車載用電子制御ユニット(ECU)の電源ラインのデカップリング用途および高調波、放射ノイズ対策として1608(1.6mm×0.8mm×0.6mm)サイズで1μFの静電容量を実現した車載対応3端子貫通型フィルタ「YFF18AC0J105M」を開発したことを発表した。

次世代のADASや自動運転の実現に向け、搭載される電装機器の基板に組み込まれるICの高機能化が進むと、そのノイズ対策として、より多くのデカップリング用の積層セラミックコンデンサ(MLCC)が使われることとなるが、一方で基板の省スペース化要求も高まるため、より効果的なノイズ対策の電子部品が求められており、部品点数を少なくすることができる低ESL(等価直列インダクタンス)を特長とする3端子貫通型フィルタへの置き換えが期待されているという。

同製品は、車載用途に求められる信頼性要件AEC-Q200を満足しながら、1608サイズで1μFという高い静電容量を達成しているため、例えば1005サイズで静電容量が0.22μFのMLCCを5個並列に接続した場合のインピーダンス特性と比較した場合、数十MHz以上の高周波領域では低ESLである同製品の方がより低インピーダンスを実現でき、それにより省スペース化と効果的なノイズ対策の両立を可能とするという。

なお、同製品は2018年1月より量産出荷を開始しており、サンプル価格は50円としているほか、同社では今後、さらなる静電容量範囲の拡大などラインアップの拡充を図り、多種多様な車載用機器設計へ対応していく予定としている。

  • 1608サイズで1μFの静電容量を実現した車載向け3端子貫通型フィルタ

    1608サイズで1μFの静電容量を実現した車載向け3端子貫通型フィルタの外観