日本電気(NEC)、産業技術総合研究所(産総研)、理化学研究所(理研)は、AIにおける最先端の研究テーマ「未知な状況における意思決定」と「自律型AI間の協調」について、基盤技術開発から実用化まで一貫で、三者の一体連携により加速していくことに合意したことを発表した。
NEC、産総研、理研の三者は今回、AIの実社会への急速な普及において、将来必ず起こりうる社会課題に対して、先行的に研究を進め、課題の早期解決・予防を実現することを目的に、「NEC-産総研人工知能連携研究室」および「理研AIP-NEC連携センター」の組織を超えた、三者連携の共同研究に合意した。これに伴い、2017年12月22日に共同研究に係る覚書を締結している。AIの基盤技術開発から実用化まで一貫した研究を加速し、わが国の産業競争力のさらなる強化へ寄与するとしている。
この連携では、「NEC-産総研人工知能連携研究室」および「理研AIP-NEC連携センター」の活動において、研究開発に関する情報の共有やソフトウエアの共同開発、設備などの研究リソースの相互利用により、応用ソリューションと要素技術の間のすり合わせの効率化、さらにより高いレベルでの整合性による活動効率化、研究成果最大化を目指す。
今回、三者一体連携によるAI研究テーマは、ビッグデータ分析における過去データが不十分な「未知な状況における意思決定」と、個別システムのスマート化の進展により求められる「自律型AI間の協調」のふたつ。巨大なシステムを円滑に動作させるための新たな技術分野として確立し、AI研究のさらなる加速と社会・産業への貢献に向けて共同で取り組んでいくという。
NEC-産総研人工知能連携研究室は、システム全体が最適に機能するための動作原理や機能仕様などの追及を分担し、理研AIP-NEC連携センターは、事業優位性の確保に必要な要素技術の圧倒的な高性能化のための速度・規模・精度などの追及や理論限界の解明などを分担する。