まちづくり立川は2月9日、東京・立川市にファブスペース「Tschool(ツクール)」をオープンした。オープニングセレモニーには、衆議院議員やと都議会議員が参加したほか、立川市長がお祝いのメッセージを寄せた。
Tschool(ツクール)は、多摩地域でのものづくり系の起業者を増やすための施設。1階の工務空間には3Dプリンタ、塗装機材などを揃え、試作品づくり、作成した製品の撮影・塗装・梱包、製品までの仕上げをサポートする。
「Tschool(ツクール)」の名前の由来は、「T」は、地域としてのTOKYO、TAMA、TACHIKAWA、機能としてのTOOL、TECH、TEAMという思いが込められているという。
フロア面積は約250平方メートルで、1F工務空間(約110平方メートル)と2Fの事務空間(約140平方メートル)で構成される。
工務空間は、デジタルファブエリア、木工エリア、塗装エリア、縫製エリアに分けられ、レーザーカッター、3Dプリンタ&スキャナ、工業用ミシン、デジタル刺繍ミシン、革漉し機、裁断機、丸鋸盤、ボール盤、CNCルーター、集塵脱臭機、塗装用エアーコンプレッサー、乾燥炉、UVプリンタ、プロッター、カッティングマシン、ラミネーター、熱プレス機などが設置されている。こちらは、会員であれば月額5000円で利用できる(消耗品は別途必要)。
2Fの事務空間には11のブースと約60平方メートルのコワーキングスペースがあり、法人の登記も可能。コワーキングスペースでは、スクールによる様々な出会いを創出。そして、当社の地域に根を張ったネットワークを活かした創業相談など、多摩地域のものづくり型創業支援につなげていくという。
技術面でのサポートは、国立市のシェア工房「Chika-ba」の利用者支援で実績のあるアトムガレージが担当。まちづくり立川の経営相談スタッフが創業支援を行うほか、東京都中小企業振興公社多摩支社で行う多摩ものづくり創業支援事業をはじめ、日本政策金融公庫、多摩信用金庫といった金融機関とも連携して利用者の企業を支援行う。
まちづくり立川は、2014年3月に立川周辺地域のまちづくりを担う会社として立川駅南口の有志商業者6名で設立。ブース型シェアオフィスKODACHI、コワーキング型シェアオフィスTXT、クラウドファンディング「FAAVO東京多摩中央」の運営を通じて、立川での創業支援を行ってきた。
まちづくり立川 代表取締役社長 岩下光明氏は、「われわれの事業の根幹は人づくりと創業支援だ。これまでシェアオフィスを通じて、40社が創業している。これまでのシェアオフィスは事務系で、創業が容易だったが、ものづくりでの創業となれば、最初の設備投資で費用がかかりハードルが高い。われわれは、そういうものづくりの方にも創業してもらいたい、そういう思いでこの施設を創った。今後は、この施設から多くの創業者が出ることを願っている」と挨拶した。
また、立川市長 清水庄平氏は「中小企業共通の問題として、後継者問題などがあり、事業を継続していくことが難しくなっている。そんな中、この施設はものづくりを行う人材を掘り起こし、育て、多くの方と交流できる。将来的には、この施設で育った創業者が世界に羽ばたくことを願っている」とメッセージを寄せた。