セゾン情報システムズは2月1日、RPA(Robotic Process Automation)への取り組みを強化し、より付加価値の高いRPAソリューションサービスを実現するため、社内組織「RPA Innovation Initiative」を開設した。
RPAは、PC画面上で完結する定型作業を自動化可能とし、単純作業からの解放、人為的ミスの削減、24時間365日稼動、リードタイム短縮を図ることができるなどのメリットがあるという。
一方、RPAの導入時には導入プロセスや運用などにRPA固有の注意を払う必要があり、導入が失敗する事例も少なからずあるほか、実際にはRPAで自動化できる業務が限定的であり、一部の作業は人手に頼ったり、専用のシステムにつなぐ必要があったりという課題もあると指摘。
同社はRPAのこうした課題に対して、RPA製品と自社製品のデータ連携ソフト「DataSpider Servista」を組み合わせることにより、これらの課題の解決を図ってきたという。RPAと同製品をつなぐ方法やRPA集中管理方法、さらにはBPR(業務プロセス改善)・AI(人工知能)連携についても研究開発を進めている。
また、業務内容によってはDataSpider Servista単独で自動化が可能なことは、すでに実証しており、例えばデータセンターの定型的なオペレーション作業の効率化を図るため、当初はRPA製品の導入を検討したが、効果が限定的だったという。検討を重ねた結果、自動化した定型的なオペレーション作業とDataSpider Servistaを組み合わせることで、より効果的な業務自動化の実現に至った。
こうした取り組みの成果を2017年から顧客企業に紹介し、業務効率化の支援しており、今後はRPA Innovation Initiativeを中心に業務効率化の課題を持つ顧客企業に対して、付加価値の高いRPAソリューションサービスの提供していくという。
今後の展開として、RPA Innovation Initiativeの役割については、研究に基づく実案件の技術的支援およびRPAソリューション戦略立案の2つの軸を構想している。
技術的支援については、先端研究開発部門であるテクノベーションセンターのAIチームが主体となって運営することもあり、まずはAIやデータサイエンスの研究成果をRPAソリューションに融合したRPA class2、class3の機能の実現を直近の課題としている。
戦略立案については、RPAをほかのシステムと連携する「つながるRPA」を顧客企業にわかりやすく伝えることが直近の課題になるという。さらに、RPAのさらなる可能性を模索するため、協業も視野に入れたオペレーションも検討していく。