2018年1月24日から26日の3日間、幕張メッセにて開催されたプロモーションやマーケティングの総合展「第1回 販促ワールド 春」。“モノを売る”という、単純そうに見えてとても奥が深い販売促進の分野において、様々なアプローチからのソリューションが提案されていた。本イベント会場において、店頭でのお買い物に新たな面白さを提供してくれる可能性を秘めたソリューションを発見した。エヌカントブースで展示されていた「IoTデジタルPOP」もそんなひとつだ。

  • 昨今「店舗で実物を確かめてネット通販で購入する」という購買スタイルが増えているなか、店舗での購買を促進することはもちろん、店舗でのお客さまにプラスアルファの体験を提供することが可能なのが、本稿で紹介するエヌカントの「IoTデジタルPOP」だ

    昨今「店舗で実物を確かめてネット通販で購入する」という購買スタイルが増えているなか、店舗での購買を促進することはもちろん、店舗でのお客さまにプラスアルファの体験を提供することが可能なのが、本稿で紹介するエヌカントの「IoTデジタルPOP」だ

  • NFCタグとスマホを組み合わせることで、来店したお客さまに新たな価値を提供する「IoTデジタルPOP」。しかも、顧客のみならず店舗オーナーにもメーカーにも、さらにはマーケティング担当者にも嬉しい仕掛けが盛りだくさんなのだ

    NFCタグとスマホを組み合わせることで、来店したお客さまに新たな価値を提供する「IoTデジタルPOP」。しかも、顧客のみならず店舗オーナーにもメーカーにも、さらにはマーケティング担当者にも嬉しい仕掛けが盛りだくさんなのだ

“店頭に消費者を呼び戻す!”と謳われた「IoTデジタルPOP」だが、1970年よりセールスプロモーションの企画制作や店舗ディスプレイに携わってきたエヌカントならではの発想が活かされている。「IoTデジタルPOP」のキモとなるのは、店舗内で商品を陳列しているフックハンガーやフロアディスプレイ、カウンターディスプレイ等の什器(じゅうき)にNFCタグを配置、来店したお客さまのスマートフォンをかざしてもらうだけで様々なアクションを返すことが可能になるのだ。

  • 実際にスマホを手に持ちでモンストレーションを行う解説員の方。背後にある什器には商品種類ごとにNFCチップを配置し顧客への新たな価値を提供するとともにマーケティング情報が得られる仕組みに来場者も耳を傾けていた

    実際にスマホを手に持ちでモンストレーションを行う解説員の方。背後にある什器には商品種類ごとにNFCチップを配置し顧客への新たな価値を提供するとともにマーケティング情報が得られる仕組みに来場者も耳を傾けていた

ブースでは、実際に店舗に設置されている什器が陳列されており、商品種別ごとにNFCタグを配置、実際にAndroid端末をかざしてブラウザを立ち上げ特定のWebサイトを表示させるデモンストレーションを行っていた。ちなみに、日本国内で大きなシェアを誇るiPhoneへの対応は、NFCに対応したモデルであればアプリを介することによって対応することが可能だという。話をデモンストレーションに戻そう。NFCタグにかざす、スマホが操作せずにアクションを起こす。この一連の流れは、利用用途に応じて変更することが可能となっており、例えば手に取ろうとしている商品のプロモーションビデオを再生させる、ポイントカードと連動してかざすだけでポイントが取得できるようにする、商品のセールスポイントを“詳しくはWebで”よろしく商品特設サイトへ誘導することも可能だ。

他にも、インバウンド向けとして各種言語に翻訳した商品情報サイトを案内するといった使い方もできる。さらに、どれだけの来店したお客さまがスマホをどのNFCチップにかざしたかもログとして取得することが可能なので、マーケティング面でも有効な使い方ができるだろう。

  • スマホをプライスタグに搭載してあるNFCタグに近付けると……店舗Webサイトが自動で表示された。このように“ユーザーはかざすだけ”でOKなため手間もなく新たな価値を享受できるうえに、店舗側・メーカー側もマーケティング情報を得ることができる
  • スマホをプライスタグに搭載してあるNFCタグに近付けると……店舗Webサイトが自動で表示された。このように“ユーザーはかざすだけ”でOKなため手間もなく新たな価値を享受できるうえに、店舗側・メーカー側もマーケティング情報を得ることができる
  • スマホをプライスタグに忍ばせたNFCタグに近付けると……店舗Webサイトが自動で表示された。このように“ユーザーはかざすだけ”でOKなため手間もなく新たな価値を享受できるうえに、店舗側・メーカー側もマーケティング情報を得ることができる

街で見掛ける「今期いち押しの○○」のような店舗内の特設コーナーのようなコンパクトなものから、店舗全体の商品の流れを再確認したいといった大規模なものまで構築することが可能な「IoTデジタルPOP」。アイディア次第では、店舗から遠のいていった顧客をネットの世界から連れ戻すことができるかもしれないこのソリューションに期待してやまない。