日商エレクトロニクス(日商エレ)と日本ヒューレット・パッカード(HPE)は1月25日、昨年3月に米HPEが発表したグローバルなサービス組織「HPE Pointnext(ポイントネクスト)」による各種テクノロジーサービスと日商エレが持つ技術力を組み合わせて、デジタルトランスフォーメーション(DX)実現を支援するトータルITサービスを展開すると発表した。
今回、コンサルティング、デリバリー、サポート、従量課金の4分野において6つのサービスを展開する。コンサルティングにおいては、プラットフォーム自動化に向けたコンサルティングサービスと各種アセスメントサービスを提供する。
日商エレクトロニクス ITプラットフォーム事業部 副事業本部長の榎本瑞樹氏は「これまでは新しい製品やテクノロジーを日本市場に提供してきたが、顧客が求めているのはモノではなく、何を成し遂げたいかということだ。そのため、われわれはインテグレーションとサービスの領域のメニューを拡充しており、最終的には顧客の成果をコミットし、サービス展開を事業戦略としていく。今回、HPEと連携し、6つのサービスを展開していく」と述べた。
プラットフォーム自動化に向けたコンサルティングサービスでは、現状のシステム運用プロセスのアセスメントを通して、顧客とプロセスを可視化し、自動化できるタスクを整理、運用自動化を中心に据えた自動化プラットフォームを提案。各種アセスメントサービスは、デスクトップ、サーバ、ネットワーク、セキュリティ基盤において、ツールを活用した現状環境のアセスメントを行うことで、課題の可視化や原因の特定、最適化に向けた提案を行う。
デリバリーに関しては、ハイブリッドクラウド基盤の設計・構築サービスとIoTビジネス基盤の設計・構築サービスの2つを提供する。ハイブリッドクラウド基盤の設計・構築サービスでは、例えば、今後のクラウドとの連携(AzureやAWS)を見据えた、オンプレミス基盤の設計・構築サービスを行い、日々変化する市場ニーズへの迅速な対応を支援する。IoTビジネス基盤の設計・構築サービスは、IoT時代のビジネス基盤においても、デバイス、エッジコンピューティング、アプリケーション、インフラ、日々増加するデータに対応した分散環境における、監視、管理、運用自動化の設計・構築を行う。
サポートでは、各メーカーが提供する保守ではカバーしきれないシステム単位での包括的な技術サポートを、TAM(テクニカルアカウントマネージャー)が提供するほか、マルチベンダー保守についても、一括窓口による保守対応を行うことで、複雑な保守フローから開放するという。
従量課金については、物理サーバ/仮想マシン単位、Core使用率単位、さらにGB/TB単位、SANポート単位など、使用した分だけ支払う月額料金体系で、オンプレミスITのメリットをクラウドライクで提供し、HPE製品だけではないマルチプロダクト環境においてもサービス提供が可能となっている。
「HPE Pointnext」とは
HPE Pointnextは、30の言語を通じてハイブリッドITやクラウドコンピューティング、Intelligent Edge、IoTなどのコンサルティングや設計、実装から運用サービスまで各種サービスを提供する組織。
日本ヒューレット・パッカード Pointnext事業統括 執行役員の小川光由氏は、Pointnextについて「ハイブリットITとインテリジェントエッジの領域に対し、トータルサービスを提供するほか、サービスの強化を目的としている。インフラに対するアドバイザリーサービスから導入、システム・基盤構築、保守・運用までを含めたエンドツーエンドのサービスを提供するサービス部門となっている」と、説明した。
具体的には、ブループリントの作成やPoC(Proof of Concept:概念実証)のサポート、インフラテクノロジーのワークショップ、プロジェクトマネジメント、導入後の運用、月額支払いによるプライベートクラウド環境を提供する。また、ハイブリッドIT/データアナリティクス/インテリジェントエッジ/セキュリティのコンサルティング 、 IceWallサービスも提供していく。
最後に、同氏は「われわれのフォーカスしている領域はインフラであるため、日商エレクトロニクスと相性が良いと考えている。さらに、われわれはハイブリッドITの分野ではAzureに注力しているが、日商エレクトロニクスも技術者に投資しており、この部分でも協業する」と、力を込めた。