NTTデータと米Skuchain(スキューチェーン)は1月24日、主に日本国内の製造業向けにブロックチェーンのビジネスを共同で展開することで合意した。今後、両社はPoC(概念検証)や教育プログラムの提供などを行い、2020年度末までに50億円の売り上げを目指す。
Skuchainは、ブロックチェーン技術をサプライチェーンに適用するソリューションを開発し、複数の関連特許を取得しているという。
NTTデータはSkuchainとの協業を通じ、NTTデータが提供するビジネスコラボレーションプラットフォームである「iQuattro(アイクアトロ)」のサービスを拡充し、サプライチェーンにブロックチェーンを適用する新たなソリューションの共同展開を進める。
これにより、iQuattroのユーザー企業は、ブロックチェーン技術を利用したトレーサビリティー、オペレーションコストおよび資本コストの最適化が可能になるとしている。具体的には、トレーサビリティー、取引実在性証明、サプライチェーンファイナンスを実現するというSkuchainのブロックチェーン技術をiQuattro上に実装する。
これまで、在庫の管理単位でのトレーサビリティーは管理の負担が大きく困難だったが、Skuchainの「Popcode」ソリューションの利用により、業務負担を少なくし、ブロックチェーン上で高い信頼性・秘匿性を保ったまま、リアルタイムなトレーサビリティーが可能になるという。
また、出荷・着荷情報に加えて受発注情報などの契約情報について秘匿性を保ちつつ、金融機関と共有することで、それらに応じたサプライヤーへの入金処理の早期化やバイヤーの信用力に合わせた金利適用による資本コスト低減など、サプライチェーンファイナンスへの応用も期待できるとしている。
今回の協業を受けて、まずは日本の製造業に向けて個別のコンサルティングを行い、トレーサビリティーやサプライチェーンファイナンスなどの事業実現可能性の調査(フィージビリティースタディー)や、実際のサプライチェーン内でのブロックチェーン技術適用を行う上でのPoCを共同で提供する。さらに、Skuchainが開発したブロックチェーンの教育プログラムである「Hyperledger Edu」を、NTTデータが日本市場向けにカスタマイズし、提供する予定だ。
今回の協業における両社の役割としては、NTTデータは、システムアーキテクチャやセキュリティ対策などに関するコンサルティングおよびiQuattroのサービス提供を担当する。Skuchainは、ブロックチェーン技術を利用したサプライチェーン革新に関するコンサルティングの提供及び、iQuattroへの自社ソリューションの組み込みを担う。