STマイクロエレクトロニクスは、小型かつ高性能で、耐振性に優れた2軸MEMSジャイロ・センサ「L20G20IS」を発表した。同製品により、これまでより小型・薄型のスマートフォン用カメラ・モジュールで高精度の手ブレ補正が可能になるという。
L20G20ISは、高集積・光学式の手ブレ補正用ジャイロ・センサ。小型サイズ(2.0x2.0x0.7mm)を特徴としており、従来品であるL2G2ISよりも基板面積を1.29mm2削減できるため、カメラ・モジュールの小型化と回路設計の簡略化が可能となっている。また同製品は、スマートフォンの設計時に使用されることが増えている厚さ0.2mm~0.3mmの超薄型基板にはんだ付けされた場合でも、カメラ機構部の突起のないフラットな超薄型ケースを実現できるという。また、スマートフォンを動かすことによる基板変形の影響を受けず、ゼロレート・レベル(ZRL)を規格内に維持でき、安定した測定で手ブレ補正を実現している。抑制比も6dBと高く、優れた光学補正を実現するため、スマートフォンでの写真撮影時に手ブレの影響を低減することができるという。
また同製品は、ノイズ特性も全体的に大きく向上しており、3.8mdps/√Hzのノイズ密度(RND)、選択可能な位相遅延、±5dpsの標準ZRLの性能を有しており、スマートフォンのカメラでより鮮明な写真を撮影できる。さらに、±200dpsの最大検出範囲を維持すると同時に、感度と温度安定性が改善されており、内蔵の温度センサにより、長い露出時間でも鮮明な画像を得ることができるという。
そのほか、同社のMEMS(微小電気機械システム)技術により、起動時間が70ms未満と従来品(L2G2IS)に比べ30%以上高速化されているほか、動作電流は1.4mAと半分以下に削減されている。パワー・ダウン・モードとスリープ・モードも備えているため、スマート・カメラのソフトウェアでバッテリの消費電力をさらに削減できるというということだ。
なお同製品は、シングルとデュアルのカメラ・モジュールに使用可能で、12リードLGAパッケージ(2x2mm)で提供される。また、単価は1,000個購入時に約1.69ドルとなっている。