米クラリベイト・アナリティクスは1月25日、保有する特許データを基に知財・特許動向を分析し、革新的な企業・機関を選出する「Top 100 グローバル・イノベーター 2017」を発表した。それに先駆け、日本法人のクラリベイト・アナリティクス・ジャパンは説明会を開催。グローバルならびに国内の動向について解説を行った。

Top 100 グローバル・イノベーターにおける評価軸は、特許の数、出願の成功率、グローバル性、影響力の4つ。これらから知財動向を分析し、世界から100の企業・機関を選出している。

まずは、国・地域別の内訳について。日本は2016年の34社から数を伸ばし、前回トップの米国を抜き、2015年度版以来の首位に返り咲いた。それに加えて、アジアからの受賞数が昨年比15% アップになるなど、アジアのグローバル・イノベーションの先進性が目立つ結果となった。

  • グローバル・イノベーター2017

    国・地域別内訳と傾向

日本からは39社が受賞。産業別にみると、ハードウェア&エレクトロニクスの分野が13社、マニファクチャリング・メディカルの分野が8社、ケミカル・コスメティックの分野が7社、オートモーティブの分野で6社、それ以外が5社という内訳となる。

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    日本の受賞企業39社

中でもキヤノン、富士通、日立製作所など14社は、7年連続受賞。クラリベイト・アナリティクス・ジャパン IPソリューションズ事業本部 事業部長の櫻井諭氏は、「これらの企業は、継続的にイノベーションを生み出し、グローバルの環境でサービス・知的財産保護をしっかりと行い、さらには他社が開発するイノベーションにまで影響を与えたことが評価された」と説明した。

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    7年連続受賞企業

IoTが影響か? ハードウェア分野が急成長

次に、グローバルで見た産業別の傾向について、受賞数が増えている分野にハイライトがあてられた。もっとも受賞数が増えたのが、ハードウェア&エレクトロニクス分野。「IoT、スマートデバイスが成長を支えていることが考えられる」と櫻井氏。また、ケミカル&コスメティクスの分野では、グローバルで2016年度の9社から12社に増加。そのうち7社が日本企業であることから、同分野における日本の強さが表されているが、「ソフトウェア分野については、すべてアメリカ企業が受賞している」(櫻井氏)ともしており、国・地域別に特徴が浮き彫りになったことが指摘された。

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    受賞数が伸びている分野は、ハードウェア&エレクトロニクス、ケミカル&コスメティクス、ソフトウェアの3分野であった

また、グローバルで見た初受賞企業は、Facebook、富士電機、鴻海精密工業、Molex、日亜化学工業、Western Digitalの6社となった。

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    世界の初受賞企業。日本からは2社が選出された

会見では、受賞者を代表し、7年連続受賞の日東電工より取締役 専務執行役員の梅原俊志氏、初受賞となった富士電機より執行役員 技術開発本部長である近藤史郎氏にトロフィーが授与された。

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    トロフィーを受け取った日東電工 取締役 専務執行役員の梅原俊志氏(左)、富士電機の執行役員 技術開発本部長の近藤史郎氏(右)

なお、日本以外の受賞企業・機関は以下の通り

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    「Top 100 グローバル・イノベーター 2017、海外の受賞企業」