IDC Japanは1月23日、国内産業用ネットワーク機器市場に関する予測を発表した。これによると、同市場の2017年から2022年における年間平均成長率(CAGR)は21.4%を予測している。
厳しい設置環境でも動作するように設計した産業用ネットワーク機器市場は、新しい市場ではないものの、IoT(Internet of Things)の利用が進む中で関心が集まっているという。また、ネットワーク接続していない「グリーンフィールド」が産業用ネットワークには多く残っており、成長の余地は大きいと同社は想定している。
2017年の市場規模は85億円と大きくはないが、2022年には224億円にまで拡大するほか、オフィスなどに導入する一般用企業向けネットワーク機器市場の成長率がプラスマイナス1%前後とほぼ横ばいであることと比べると、産業用ネットワーク機器市場のポテンシャルは高いと見込んでいる。
産業用ネットワーク機器市場を構成する製品分野別に見ても、いずれも大きな成長が予測されており、2017年から2022年におけるCAGRは産業用イーサネットスイッチが15.0%、産業用ルーターが57.6%、産業用無線LAN機器が65.6%と予測している。
2017年の市場では産業用イーサネットスイッチが大半を占めているが、今後はより高度で可動性の高い産業用ネットワークの導入が進みはじめると、産業用ルータと無線LANアクセスポイント市場も本格的に立ち上がると推測。
同社のコミュニケーションズ グループマネージャーである草野賢一氏は、グリーンフィールドを目指して新規参入するベンダーも現れる中で「産業用ネットワーク機器市場に未参入の企業向けネットワーク機器ベンダーは、数少ない成長市場として参入を積極的に検討すべきである。一足飛びに最も厳しい環境に耐える製品を作る必要はない。防水防塵性能の強化や、DINレール対応といった新筐体の開発から始めればよいのである。ただし、長期間の戦いを覚悟して市場参入すべきである」と述べている。