2018年1月17日より19日までの3日間、東京ビッグサイトにて開催された世界最大級のウェアラブル専門展「第4回ウェアラブルEXPO」。同時開催されていた「ネプコン ジャパン」「オートモーティブ ワールド」「ロボデックス」「スマート工場EXPO」すべての展示会を通じて、開催会期中約10万人以上もの来場者が会場へと足を運んでおり、各分野の最新情報を得ようという意識の高さが伺えた。
さて、今回レポートをお届けするエプソン販売ブースでは、既にパーソナルユースでも実績のある「MOVERIO BT-300」に加え、新たにラインナップに加わったスマートグラスの商用モデル「MOVERIO BT-350」、業務用スマートヘッドセット「MOVERIO Pro BT-2000/2200」シリーズが展示、実際に装着してその使い勝手を体験することができた。
「MOVERIO」、「MOVERIO Pro」双方に共通した特徴として、視野のすみに小さく表示される単眼タイプではなく、高精細な大画面を両眼で捉えつつ実世界に重ね合わせてくれるシースルータイプとなっていることが挙げられる。タフネスさも兼ね備えており「MOVERIO Pro」シリーズはIP54準拠、「MOVERIO」も生活防水IPx2でありながら、スタイリッシュなデザイン性も特徴だ。
会場では、「MOVERIO」シリーズを装着して眼前に広がる映像の美しさや使用感を試す来場者で大いに賑わっていた。筆者は「MOVERIO BT-350」を用いてドローンの操縦を行う、というデモンストレーションを体験することができた。ドローンの操縦においては、航空法で目視での飛行がルール付けられている。「MOVERIO BT-350」であれば直接目視できるのはもちろん、ドローンからの映像をその視野のなかに表示することができるのだが……実際にその映像を目の当たりにして、高精細な映像のクリアさに驚かされた。横1280×縦720ドットのシリコンOLED(有機EL)の採用と輝度の高さによって、自然でありながらしっかりと表示された情報を確認することができるのは、さすがは光学技術のエプソンといったところだろう。
基本的に、今回展示されていた「MOVERIO」、「MOVERIO Pro」双方はともに別途アプリケーションが必要となる。「MOVERIO Pro」はAndroid4.0.4を、「MOVERIO」にはAndroid5.1を搭載しており、そのアプリケーション開発にあたりAPIやサポートツールをエプソン販売では提供している。
ヘッドセットに内蔵されたカメラや加速度・地磁気・ジャイロセンサー、コントローラーに内蔵されたGPS。これらから得られる情報を利活用して、例えば観光地案内情報をジャストインタイムで提供する、入り組んだ敷地内を的確にそして効率的にナビゲートする。「MOVERIO」が持つ高精細でクリアな映像をシームレスに視界に提供する特徴は、コンテンツやサービス、働き方改革・生産性の向上の手段としての施策にも大きな強みとなるだろう。「MOVERIO」を使い自由闊達なアイディアが詰め込まれた“なにか”が登場する。そう考えると今後その動向から目が離せそうにない。