2018年1月17日より3日間、東京ビッグサイトにて開催された「第4回ウェアラブルEXPO」。今回が初出展となる80社を加えた200社が一堂に会すとあり、会場内にはウェアラブルデバイスで自社のビジネスをどう加速させるか思案を巡らすビジネスパーソンで溢れかえっていた。本稿では、「視覚拡張」をメインコンセプトとしたメガネスーパー及びエンハンラボのウェアラブルデバイス「b.g.」をご紹介していこう。
数多くの来場者でに賑わうメガネスーパーブース
ブースで展示されていた眼鏡型ウェアラブルデバイス「b.g.(ビージー)」は、先端技術を活用し眼鏡を超える眼鏡を作りたい、という想いから誕生したものだ。眼鏡型ウェアラブルデバイスの本質を「ディスプレイをハンズフリーにすること=眼鏡にディスプレイを付けること」とシンプルに捉え、先にも述べた「視覚拡張」に重きを置いて開発された。眼鏡専門小売チェーンを展開するメガネスーパーが持つ、眼と眼鏡に関する高い知見・技術力を背景に、見え心地やかけ心地には絶対の自信があるという。
会場では、実際に「b.g.」を装着することができたのだが、残念ながら「視覚拡張」を謳うディスプレイ映像を体験することは叶わなかった。だが、βチタンを採用した鯖江製フレームに取り付けられたディスプレイ部分の重さを感じることなく、自然な装着感であった。筆者は眼鏡着用者なのだが、普段使用している眼鏡の上からそのまま装着することができるため、利便性の高さも伺えた。
気になる装着時の視界だが、視界の中心にディスプレイ映像が比較的大きなエリアで占められているが、思いの外邪魔にならない。仮に邪魔になったとしても、ディスプレイ部分を跳ね上げることも可能なので問題はないだろう。しっかりとした装着感、装着していてもデバイスの重さが気にならないのは、流石は眼鏡一筋で事業を展開してきたメガネスーパーならではだろう。
いろんな分野への期待が広がる「b.g.」
さて、気になる利用用途へと話を移そう。ブース内では、「まだ構想段階ですが」と説明員の方の言葉があったが、医療分野、観光分野、製造分野等での利活用シーンが紹介されていた。なかでも筆者が注目したのが、医療分野で「b.g.」がもたらしてくれる恩恵の大きさだ。医療現場では様々な情報、例えばレントゲンやCT・MRI等による診断映像や患者の状態をモニタするバイタル情報など複数のモニタ上に表示される情報をチェックする必要がある。だが、「b.g.」を利用すればドクターはあちこちを見渡す必要がなくなり僅かな視線移動だけで必要な情報を確認することができるようになる。また、遠隔診療といった今後需要の高まりが想像される分野においても役立つのではないだろうか。
他にも、AR技術等と連携させることによって製造現場やロジスティクスの現場での利活用も期待される。機械組み立ての現場で作業指示が表示されれば、ひょっとしたらペーパーでの作業マニュアルは必要なくなるかもしれない。
快適な装着感と、利用者の視界を邪魔しないディスプレイ。スマートフォンともHDMIで接続することができるほか、長時間の使用にも耐えられるようモUSBでバイルバッテリーから給電することも可能なため、様々なシーンで利活用することができそうな「b.g.」。実際に導入して生産性等の向上はもちろん、カメラやAR、ドローンといったその他の技術と組み合わせることで新たなビジネスが拓けるのでは?と期待させてくれた。