リコーと社会医療法人 北斗は、認知症などのスクリーニング検査を想定した脳ドック向けの脳磁計および周辺機器の開発について共同研究契約を締結したと発表した。

北斗は北海道・帯山の北斗病院の経営業務を担う医療法人で、2004年に脳磁計測システムを導入し、海外から専任の専門家を招へいするなど、精力的な運用を行っている。脳磁計測システムは、人体に対して完全に非侵襲で、人の神経活動によって脳から生じるわずかな磁気を計測し、脳内の神経活動の伝達を見える化するもの。

また北斗は、2017年からは精密医療(Precision Medicine)の一環として、疾患のより客観的な診断、予後予測を提供する技術に必要となる、脳磁計測システムを用いた標準脳機能データベースの研究を、海外9大学とともに進めている。

一方のリコーは2014年から生体磁気計測装置の技術開発に取り組んでおり、今回の共同研究により、同社が脳磁計測システムで提供する脳深部計測や高周波計測などのセンシング技術、および基盤事業で培った画像技術・システム設計力をリコーの技術と連携させることで、脳磁計測システムを用いた認知症診断技術の向上に貢献し、脳機能に着目した新しい脳ドック市場の開拓を目指す考えだ。