宇宙航空研究開発機構(JAXA)は高性能レーダーを備えた小型の地球観測衛星「ASNARO(アスナロ)2」を搭載したイプシロンロケット3号機を18日午前6時6分 、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。衛星は予定軌道に入り打ち上げは成功した。
アスナロ2は、縦横約1メートル、高さ約3.5メートルで重さは約570キロ。宇宙での展開時は長さ約3メートルになる高性能レーダーが特長。地表にある1メートルの物体を識別できるという。夜間でも撮影可能で地方自治体や研究機関からの要望を受けて自然災害の現場などを撮影、提供する。衛星アスナロはNECが経済産業省の支援を受けて開発した。NECは今回衛星運用も担当する。
イプシロンは日本が独自に開発した3段式の小型固体燃料ロケット。1号機は2013年9月に、2号機は16年12月にそれぞれ打ち上げられている。2号機は1号機を改良し、2段目ロケットを大型化して全長は26メートルになったが、それでも日本の主力ロケットH2Aの半分ほどで、重量590キロまでの衛星を搭載できるようになった。3号機は2号機と基本設計は同じだが、衛星を分離する装置などが改良された。
JAXAは、重さ500キロ前後の小型衛星を安いコストで打ち上げるイプシロンと、大型衛星を打ち上げるH2Aや無人補給機「こうのとり」も搭載できるH2Bという小型、大型ロケットの用途を差別化しながら打ち上げ実績を積んで世界の宇宙ビジネス市場に本格的に参入したい考えだ。
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