日本電気(NEC)は、社会インフラや製造業の工場における産業制御システム向け「OT(Operation Technology)セキュリティ・アセスメントサービス」と、不正アクセス対策製品「OTセキュリティ・アプライアンスOpShield」を発売した。
同サービス・製品は、電力、ガス、水道、交通など社会インフラや工場の施設内の潜在的なセキュリティリスクを国際標準指標に基づき評価、NECの様々なソリューションを組み合わせたセキュリティ改善・強化提案を行うことで、セキュアな産業制御システム環境を実現するもの。社会インフラや製造業などの工場における産業制御システムは、これまでインターネットや業務系システムと分離した環境で運用されており、脆弱性への対処やシステムのアップデートなどが適切に管理できていないケースが多く、サイバー攻撃の被害に遭うリスクが高まっているという。
NECは2016年10月、デジタル・トランスフォーメーションの加速に向けて、GEデジタル社とIoT分野において包括的な提携を締結し、日本企業向けIoTソリューションの開発・導入・保守サポートをトータルに提供する体制を構築した。今回のサービス・製品の発売は、GEデジタル社との提携によるもので、提供発表時に掲げた「IT・OTサイバーセキュリティ領域のソリューション開発」を具体化したものだということだ。
「OTセキュリティ・アセスメントサービス」は、産業制御システムが稼働している施設に専任チームが赴き、現地で担当者へヒアリング・調査を行い、施設・システムの構成やシステム内で使われている機器・センサーおよびそれらの運用体制などに関し、産業制御システムのセキュリティ国際標準指標に基づいて総合的に評価を行うもの。これまでNECが提供してきた制御系セキュリティアセスメントサービスのノウハウとGEのノウハウをもとに、評価結果からリスク洗い出し、セキュリティポリシーの見直しや今後のセキュリティ強化提案、インシデント発生に備えた運用体制構築を支援する。
「OTセキュリティ・アプライアンスOpShield」は、産業制御システム特有の通信(プロトコルやパラメータなど)に対応した「OpShield」を提供するもの。産業制御システムネットワーク内に流れる通信を監視し、サイバー攻撃特有の不審な動作を検知・遮断することで、産業制御システムのセキュアな運用を確保する。
なお価格は、OTセキュリティ・アセスメントサービスは個別見積もり、OTセキュリティ・アプライアンス OpShieldは500万円~となっている。また、同ソリューションは、1月19日まで東京ビッグサイトで開催される「第2回 スマート工場 EXPO」に出展されるということだ。