Mozillaは開発版のFirefox Nightlyに「タブ・ウォーミング(Tab Warming)」と呼ばれるタブ切り替え高速化技術を搭載している。これはマウスカーソルがタブの上に来た段階でコンテンツのレンダリングを開始するというもので、タブを押した瞬間にすでにレンダリングされたコンテンツが描画されるようになる。
タブの上にある数秒または数ミリ秒の間に事前にレンダリングしておくことで、クリックした瞬間に何も描画されないという一瞬の谷間を避ける効果があるとされている。
Mozillaの開発者であるMike Conley氏がこのほど、同氏のブログ「Making tab switching faster in Firefox with tab warming|Mike Conley's Blog」で、タブ・ウォーミング(Tab Warming)」の概要を伝えた。
Firefox Nightlyにおいてタブの読み込みは既に高速化されているため、この技術が有効になっても劇的に高速化が体感できるものではないという。しかし、複雑なCSSアニメーションやSVGアニメーションを使うようなページでは描画されるまでの谷間の時間をなくすことができると期待されている。
「タブ・ウォーミング(Tab Warming)」はコンテンツの事前読み込みとは違う。コンテンツの事前読み込みはすでに実装されており、コンテンツが読み込まれている状態からレンダリングを開始するまでのタイミングを、タブがクリックされたタイミングから、マウスがタブの上に来た段階へ先走らせるものとされている。タブがクリックされなかった場合は事前レンダリングデータは破棄されるため、リソースが無駄遣いされることはない。
「タブ・ウォーミング(Tab Warming)」はFirefox Nightlyに追加されているが、デフォルトでは無効になっている。about:configで設定ページを開き、browser.tabs.remote.warmup.enabledの値を有効にすることで利用可能になる。