PFUは1月15日、IoTやAIなどのデジタル技術を活用した産業向けエッジコンピューティングシステムの取り組み強化に向けた施策として、組込用途に向けたDeep Learning(ディープラーニング)アクセラレータカード「AI400シリーズ」ならびにIntel Xeonプロセッサを搭載した2Uサイズの「AR6200 モデル140K」を発表した。

Deep Learningアクセラレータカードは、同社の組み込みコンピュータ「ARシリーズ」向けに開発されたAIカードで、産業向け組み込みAIやエッジコンピューティング実現に求められる、小型、高性能と低消費電力を実現した製品。FPGA(Intel Arria 10 GX1150)によるディープラーニングの推論処理を行うことで、コンピュータのCPU負荷の軽減が可能。フレームワークには、国内の産業界からの強い支持を受けている「Chainer」をベースとしたものを採用しているほか、別途有償ながら、目的に最適化したアルゴリズムの実装も請け負うという。

さらに、組み込みコンピュータでの利用を想定し、奥行き167.65mmのPCI Expressハーフサイズを採用。小型の組み込みコンピュータへの搭載も可能としている。

  • Deep Learningアクセラレータカード「AI400シリーズ」

    Deep Learningアクセラレータカード「AI400シリーズ」のイメージ図。メモリはDDR4-2133 8GB(ECC)を搭載。Arria 10を採用した理由は、ARシリーズにてPCIeに供給できる電力が25Wのモデルがあるとのことで、それに対応しつつ、性能を発揮できるFPGAを模索した結果、採用が決まったということであった (画像提供:PFU)

一方のAR6200 モデル140Kは、同社のミドルタワー型組み込みコンピュータ「AR8300モデル320K」と性能仕様は同一ながら(Xeon E5-2680 v4、最大128GBメモリ、AMD製グラフィックスコントローラ)、2Uラックマウントとすることで、大型の製造装置内部などへの据付を容易化したものとなっており、同社ではDeep Learningアクセラレータカードを搭載することで、高速画像処理、動画像認識、ディープラーニングなどにも利用することが可能だと説明している。

  • AR6200 モデル140K

    AR6200 モデル140Kの外観 (画像提供:PFU)

なお、2製品ともにすでに受注受付は開始しているが、Deep Learningカードについては2018年11月より、AR6200 モデル140Kについては2018年12月からの出荷開始を予定している。

受注開始から出荷開始まで、10か月ほどの期間がある理由についてPFUでは、受注を受けつつ、ディープラーニングに対するニーズの掘り起こしも並行して行っていくとしており、既存のARシリーズのユーザーとは、新たな拡張性の提案を図っていくとするほか、新規ユーザーに向けては、新たなARシリーズの活用の模索を併せた形での提供を行っていきたいとしている。

  • PFUが考えるエッジコンピューティングシステムの構成イメージ

    PFUが考えるエッジコンピューティングシステムの構成イメージ (資料提供:PFU)

  • PFUの組み込み関連製品ラインアップ

    PFUの組み込み関連製品ラインアップ (資料提供:PFU)