日立ハイテクマテリアルズは、鋳造やプレス加工、樹脂成型品などの製造に必要な金型を、顧客である製造会社に代わって現物確認から保管、買取までワンストップで管理する「金型管理サービス」の提供を開始すると発表した。
同サービスは、顧客に代わりサプライヤーが管理する金型をリストと照合しながら現物確認を行う「実査棚卸」、日立ハイテクマテリアルズの専用倉庫で金型を預かる「金型保管」、不要になった金型を買い取り原材料へとリサイクルする「金型買取」という3つのサービスを組み合わせることで、ワンストップでの金型管理を実現するもの。
現在、製造会社の多くは、金型の数量が膨大であることから、部品製造を委託しているサプライヤーに金型の管理についても委託しており、量産が終了した金型の保管をサプライヤーが請け負う場合もあった。しかし、金型管理をサプライヤーに委託しても、管理状況を定期的に把握する必要があるほか、2016年12月には、下請代金支払遅延等防止法の運用基準に、サプライヤーに対する量産終了後の金型の無償保管要請が、親事業者である製造会社の違反事例として明記されたことで、コンプライアンスの観点からも、金型管理の適正化・効率化が求められている。
同サービスでは管理を行うだけでなく、専用のデータベースを構築することで、顧客はWeb上にてリアルタイムで金型の管理状況を簡単に確認することができる。将来的には、金型ショット数のデータを収集することで金型の交換時期等を推定する予兆管理サービスを提供するほか、製造会社およびサプライヤーの製造現場で稼働するプレス機、組立機などの稼働状況がわかるログデータやセンサデータを専用データベース上に集約することで、顧客の生産情報を一元管理し、生産性向上につながる環境を提供していく予定だということだ。