日本ナショナルインスツルメンツ(以下、日本NI)は25日、58W出力に対応する電源と冷却機能を各スロットに搭載した18スロットのPXI(PCI eXtensions for Instrumentation)シャーシ「PXIe-1095」を発表した。価格は114万7000円(税別)。
PXIe-1095は、電力供給能力を高め、ファンのノイズ低減に加えて、高い可用性が求められるアプリケーションにも対応できるよう、ホットスワップや冗長構成に対応可能な1200 W出力の電源を2つ内蔵している。また、PCI Express Gen 3に対応したバスインタフェースのシステム帯域幅は24GB/秒を達成している。このほか、タイミングや同期機能をアップグレードするオプションも用意されている。
このアップグレードには、高精度なクロックソースであるOCXO(恒温槽付水晶発振器)や、PXIシャーシと外部システムとの間のクロック・トリガ信号の入出力機能が含まれる。ほかのすべてのNI製PXIシャーシと同様に、温度やファンの速度など、システムの健全性を表すデータを監視するためのソフトウェアリソースが利用できる。
さらに、PXIe-1095はスマートなテストシステムの構築に役立つNIのエコシステムの重要な構成要素であり、構築には、DCからミリ波までに対応する600種以上のPXI製品を利用できる。PCI Expressに対応するバスインタフェースを使用したスループットの高いデータ転送や、統合されたタイミング/トリガ機能によるナノ秒以下の同期を活用することも可能となっている。
NIのプラットフォームは、多くのパートナー企業、アドオンIP(Intellectual Property)、アプリケーション・エンジニアで構成される強力なエコシステムによってサポートされているため、同プラットフォームを活用することで、開発期間の短縮とテストコストの大幅な削減を図りつつ、将来の厳しい要求にも対応可能なテストシステムを実現できる。
日本NIによれば、各スロットにこれだけの機能を持たせたのは業界初だとし、NIの既存のPXI Expressシャーシと比べても、スロット当たりの電力供給能力と冷却能力は50%向上している。また、PXIe-1095は、38 Wの冷却プロファイルモードにおいて、ファンから発生するノイズを大幅に削減しているのも特徴となっている。既にリリースされている「PXIe-1085」と比べてノイズが13 dB低減されており、NIのPXI Expressシャーシの中で最も静音性の高い製品となっている。