セコムとNTTは、IoTサービスの利便性向上を実現するために、通信データを信頼性重視や即時性重視など、用途・目的に応じた形式に変換するネットワークアシスト技術を開発し、実用化に向けた実証実験を開始したと発表した。

  • ネットワークアシスト技術を活用した実証実験の概要

    ネットワークアシスト技術を活用した実証実験の概要

ネットワークアシスト技術は、大容量データを用途や目的に応じた最適なデータ形式・容量に変換・伝送するもの。同技術を活用することで、IoT機器間のデータ通信を最適化し、IoTサービス事業者は回線やサーバの増強などといった特別な準備をすることなく、さまざまな利用者に大容量のデータを効率よく届けることが可能になる。

実証実験では、NTT東日本の3棟の通信ビルに、今回開発されたネットワークアシスト技術を搭載したサーバを設置し、カメラからの映像データを目的・用途に合わせて変換・伝送する技術の実用化に向けた実験が実施される。具体的には、複数の拠点を有する大規模イベントでの警備利用という利用シーンを想定し、1台のカメラからの映像を、それぞれ「信頼性重視」、「即時性重視」、「映像品質変換」、「過去データ利用」といった目的に応じたデータに、NTT東日本の通信ビル内に設置したサーバにて変換して伝送し、同技術の有効性を検証するという。

各社の役割として、セコムは、大規模イベントでの警備等を想定したサービス提供に必要な映像データの品質変換および過去データ利用(貯留)の機能を提供する。また、検証を通じ、現場周辺や遠方など複数の場所において、映像データをそれぞれの用途・目的にあった形で受信できるかを確認する。NTTは、ひとつのカメラの映像データを利用場面に応じて、信頼性重視と即時性重視の用途に分流する機能、品質変換する機能を提供する。両社は同実証実験を通して、IoTサービス事業者の利便性の向上、高機能なIoT機器を利用した「安全・安心」かつ「快適・便利」なサービスの実現や、ネットワークアシスト技術を利用した新たなコラボレーションの拡大を目指すということだ。