存在感を増すスマートフォン広告市場
SNSが消費者の生活にもたらす影響力は日増しに強くなっている。したがって、多くの経営者がSNSとうまくつきあっていくことこそ、効果的なマーケティングが行えると実感しているはずだ。
大きな影響力を持つSNSと言えばFacebookとTwitterが代表的だが、昨今のスマートフォンの利用状況を考えると、スマートフォンによる利用が主とするSNSを無視することはできない。
一方日本のマーケティング分野には、今ひとつ活用が進んでいないSNSがある。それは、Instagramをはじめとする画像に重きを置いたSNSだ。
こうしたSNSのユーザーは若い女性の割合が多い。さらに、日本ではその傾向が顕著だと言われている。しかし、日本では企業の意思決定のポジションに比較的男性が多い。
つまり、画像系SNSをビジネスに活用しようとする場合、体験していない経営者や意思決定の権限を持つ立場の人間が適切な判断を下すことができていないという状態になっているのだ。
例えば、イベントやプロジェクトを進める際、それを広告する方法として部下から「InstagramやPicsArtを使ってみては」と提案されたことはないだろうか。こうしたサービスをよくわかっていないという理由で「ダメだよ」という判断を下していたのであれば、ちょっと考え直したほうがよいかもしれない。
SNSごとに異なる志向
企業において意思決定や決裁権を持った立場の男性がよく使うSNSと言えば、やはりFacebookとTwitter辺りだろう。プロジェクトの打ち上げの様子をFacebookにあげてみたり、自社のローンチイベントの様子をTwitterでつぶやいてみたり、飲み会の様子をスマートフォンで撮って投稿してみたりと、FacebookとTwitterに関しては、ソーシャルネットワークをどのように使えば、どのような効果が期待できるのかを体感できている。
一方、決裁権を持った立場にある男性陣は撮った写真をかわいく加工してInstagramにアップデートしてみんなに褒めてもらったり、仲間うちでわいわいやったりするようなSNSはあまり使わないだろう。
筆者の経験から思い返してみても、男性の上司が自撮りした新しいジーンズをはいた姿を格好よく加工してInstagramにアップデートしているといったシーンは記憶にない(もちろん、男性にもInstagram愛好家はいるだろうが、あくまでも割合ということでとらえていただきたい)。加えて、そうしたやりとりを楽しむ仲間も女性のほうが割合としては多いようだ。
また、熱心にInstagramを楽しんでいる女性の学生がInstagramに投稿しているような頻度で、Facebookに写真をアップロードしている男性もあまり見たことがないように思う(繰り返しとなるが、あくまでも割合の上でという話だ)。
何が言いたいかというと、ソーシャルネットワークサービスごとに楽しみ方が違い、そして層も結構違っているという状態にあるということだ。