電子情報技術産業協会(JEITA)は12月19日、2017年ならびに2018年の電子情報産業の世界生産見通しを発表した。

JEITAが定義する電子情報産業は、AV機器、通信機器、コンピュータおよび情報端末、その他の電子機器(電気計測器、医用電子機器、電子応用装置など)、電子部品、ディスプレイデバイス、半導体のほか、SI開発やアウトソーシング、ソフトウェアといったソリューションサービスを含むものとなっている。

2017年の生産見通しは、前年比6%増の2兆7401億ドルとなる見込みで、この値は、統計開始の2007年以降、過去最大の規模になるという。主なけん引役は、スマートフォンの高機能化や、自動車のエレクトロニクス化、データセンターの拡大といった用途や需要の拡大に後押しされた半導体とディスプレイで、半導体は前年比21%増の4087億ドル、ディスプレイは同20%増の1462億ドルとなる見込みだという。

  • 電子情報産業の世界生産額は2017年に過去最高を更新する見通し
  • 2015年-2018年の電子情報産業の世界生産額推移見通し
  • 電子情報産業の世界生産額は2017年に過去最高を更新する見込みだが、2018年はさらに成長する見通しとなっている (出所:JEITA発表資料)

また、2018年も引き続き、半導体の成長が続くほか、電子部品が同4%増の2242億ドルと過去最高額を記録する見込みとなっており、全体としても同4%増の2兆8366億ドルと、記録を更新する見通しだという。

  • 2017-2018年の品目トピックス
  • 日系企業の世界生産額推移
  • 2017年のけん引役は半導体とディスプレイ。IoTや自動車のエレクトロニクスの進展などで、大量の半導体が必要となったことが背景にある

この内、2017年の日系企業の世界生産額は、前年比5%増の38兆5403億円で、半導体、電子部品、ディスプレイなどの輸出増加などを背景に国内生産額も同7%増の12兆278億円となる見込みとなっているほか、2018年も2020年に向けたインフラ整備の進展や、自動車のさらなるエレクトロニクス化、IoT化による高機能・省エネ・高信頼の電子部品などのニーズの高まりなどから同2%増の39兆2353億円と成長が見込まれるほか、国内生産額も医用電子機器などでの需要回復が期待できることから、同2%増の12兆2955億円とプラス成長が続くという予測が示されている。

  • 日系企業の世界生産額推移
  • 電子工業の国内生産額推移
  • 日系企業の世界生産額推移と電子工業の国内生産額推移 (出所:JEITA発表資料)

なお、各分野の市場の詳細な分析については、2017年12月にJEITAが発行した「電子情報産業の世界生産見通し 2017」(価格は会員が3340円、一般が6480円)に記されているという。