ソフトバンクとパシフィックコンサルタンツは12月14日、道路・空港・鉄道・港湾などの社会インフラに設置した各種IoTデバイスから取得したデータなどをAIで分析を行い、最適な公共インフラの設計・開発などを共同で実施することを目的に、業務提携すると発表した。
両社は今後、実証実験などを行い、そこで得られた知見を基に、公共インフラを管理する自治体や関連企業、利用者に対してスマートインフラソリューションの提供を目指す。
両者が共同開発するのは、防災インフラソリューションと人流解析などによる社会インフラソリューションの2つ。
防災インフラソリューションでは、各種IoTデバイスから得られた情報をディープラーニングなどによって解析し、災害監視や災害予測、それにもとづく避難のための情報提供を行う。
人流解析などによる社会インフラソリューションでは、AIを活用した人流解析や交通流解析により、人の流れや車の流れを実情に近いデータによってシミュレートすることで、人流・交通流を誘導し、交差点や鉄道駅改札の混雑や空港ターミナルの待ち時間、自動車の渋滞などの課題を解決する。
提携にあたりソフトバンクの今井氏は、「ソフトバンクの最先端テクノロジーを社会インフラに活用できるのはないかと思い、業界No.1のパシフィックコンサルタンツさんと新たな社会インフラ向けソリューションを共同開発することで合意した。今後は、安全安心な社会インフラで豊かな街づくりを共同で果たしていきたい」と挨拶。
一方、パシフィックコンサルタンツの高木氏は「これまで、パシフックコンサルタンツは社会インフラの建設に携わってきたが、最近はインフラの総合化、複合化という問題もでてきている。また、既存の社会インフラを活用したスマート社会の進展も求められている。今後は、日本大震災などの大きな震災から国民の命や財産を守り、避難を円滑に進めるシステムや災害を予測するシステムが必要だ。それに対して、ソフトバンクさんの革新的な技術の利用すれば、多くの人の命や財産を守ることができる」と提携の背景を説明した。
ソフトバンクでは、今回のソリューションにおいて、将来的には大容量で多数のデバイスを接続でき、低遅延の5Gの回線を利用することを想定しているが、当面は、現在の技術を利用してソリューションを提供していくという。
提供形態はオンプレミス、クラウドの両方が想定され、個別受注により対応するという。