環境省は12日、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの国内排出量は2016年度実績で13億2,200万トン(CO2換算)だった、と「速報値」を発表した。前年度比0.2%減で3年連続の減少となった。対前年度比で多少とも減ったことについて、環境省は再生可能エネルギーの導入拡大や一部の原発の再稼働などが要因とみている。 同省によると、16年度実績は05年度比では4.6%減。13年度比では6.2%減だった。政府は「20年度に05年度比3.8%削減する」との短期目標を掲げているが、この目標は達成したことになる。
政府は、温室効果ガス排出量を20年度に1990年度比25%削減する目標を2009年に掲げたが、13年に撤回し、新たな短期目標を05年度比3.8%減に変更した。その後、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の交渉を通じて、30年度に13年度比26%削減する長期目標を新たに設定している。このため16年度実績は、短期目標は達成したものの、パリ協定後に設定した長期目標を達成するためには一層の削減努力が必要であることを示している。
温室効果ガスの大半を占めるCO2排出量だけを排出部門ごとに16年度実績でみると、産業部門(工場など)は 4億4,200万トンで前年度と比べて 1.6%増加した。運輸部門(自動車など)は2億1,500 万トンで、同0.8%減少した。また、家庭部門は1億7,900万トンで、同2.8%減少。エネルギー転換部門(発電所など)は 8,770 万トンで同7.0%増加している。
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