新菱冷熱は、北海道大学大学院情報科学研究科の金井理教授と共同で、「3Dレーザースキャナ配置計画支援ソフトウェア」を開発したことを発表した。
既存の建物や配管設備、機器類などの形状を点群データ化する計測器である3Dレーザースキャナは、建設業界において現場の現状把握や既存施設の図面化に利用され、急速に普及している。従来、3Dレーザースキャナは、機器の裏側などレーザーが直接照射されない部分は計測できないため、複数個所へスキャナを設置して計測するのが一般的だが、計測漏れを防ぐために計測箇所数が冗長となり、計測データが膨大となる傾向があった。加えて、計測には建築設備の知識と計測ノウハウが必要であるために対応できる技術者が限られ、3Dレーザースキャナを充分に活用できていなかった。
改修工事で用いる場合、計測対象の部位によって工事の重要度が異なるため、それに応じた精度のデータを取得するのが効率的である。例えば、冷凍機の入れ替え工事では、新しい配管と既設配管の継ぎ手部分などの取り合い箇所や、冷凍機・配管の周辺部分は重要度が高いが、それ以外は計測する必要がない。
そこで新菱冷熱は、計測目的に応じユーザーが重要な部分を指定するだけで、スキャナの配置場所を自動で計画する技術を開発した。これにより、200m2程度の熱源機械室の機器入れ替え工事に本技術を適用した場合、従来より短い1時間程度の計算時間で、精度の高い計画を誰もが簡単に作成可能となった。
同社は今後、改修工事において同技術を全面的に活用することで、施工品質の向上と業務効率化による工期短縮を実現していくとしている。