パシフィックビジネスコンサルティング(PBC)は12月5日に記者向けの説明会を開催し、マイクロソフトの中堅・中小企業(SMB)向けERPパッケージ「Microsoft Dynamics NAV 2018」を2018年4月より販売開始することを発表した。12月1日にリリースされた英語版のDynamics NAV 2018に同社が日本、中国、香港、タイ、ベトナムの5カ国の商習慣に合わせた機能を追加し、各国の言語にローカライズして提供する。

Dynamics NAV 2018は、会計業務の一部を外注している顧客のニーズに応え、社外の税理士/会計事務所向け監査機能が追加され、Power BIやOutlook連携など基幹業務が強化された。また、Visual Studio Code、Visual Studio Team Service、GitHubといったサービスを利用したソースコードの管理や、Dockerコンテナを活用した検証環境の利用など、開発者の業務生産性を向上する更新が加わった。そのほか、REST形式のAPI連携やMicrosoft Azure Cognitive Servicesによる画像解析機能といった新機能は、多様なデバイス/システムとの幅広い連携や運用を可能にし、IoT時代の顧客の様々なニーズに対応する。

  • ローカライゼーションの概要

    ローカライゼーションの概要

PBC 吉島良平氏

PBC 吉島良平氏

パシフィックビジネスコンサルティング 取締役 戦略事業推進室 室長の吉島良平氏は「今回のNAV 2018は、開発を効率化し、サービスの裾野を広げる仕組みが実装されたととらえることができる。また、2018年上期のNAV 2018 R2からはオンプレミス版とDynamics365"Tenerife(仮)"と呼ばれるクラウド版が機能的にイコールな状態で登場する予定だ」と製品について述べたうえで、「マイクロソフトの強みはビジネスを行う上でバイタルなコアデータを持っていることだと考えている。それらがネイティブでつながりはじめており、課題の特定・解決をして働き方を変えることができる。また、今回我々は基本モジュールの上に5カ国の商習慣に対応した機能を実装しているが、全体では100言語以上のローカライゼーションが開発されており、海外進出した際にサービスが使えるだけでなくその国でサポートしてくれるパートナーがいることもマイクロソフト製品の強みだと考える」と意見を述べた。

同社は、国内および東南アジアに進出する日系企業に対してDynamics NAV 2018を訴求し、業務効率化を支援していくとしている。

PBC 小林敏樹氏

PBC 小林敏樹氏

パシフィックビジネスコンサルティング 代表取締役社長の小林敏樹氏は「今後我々は、Dynamics ERP(AX&NAV)、Dynamics CRM、Dynamics MarketingをAzure上で稼働させるDynamics365(D365)として全面的に提供していく。また、2018年上期にリリースされる次期D365 for Tenerifeも5カ国語で提供する予定。Azure上で顧客が自由にERPを使えるようになり、iPadやiPhoneを含めたマルチデバイスでERPを動かせるようになる。また、拡大戦略としてはグローバルDynamicsパートナーや国内パートナーとの連携強化しながら、グローバル戦略を実行していきたい」と、全体的な戦略について語った。

価格は日本語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、タイ語、ベトナム語モジュールの言語がそれぞれ50万円。日本対応機能のEssentials Versionが50万円で、Extended Versionが150万円。中国対応機能のEssentials Versionが50万円、Extended Versionが150万円。香港対応機能はEssentials Versionが20万円、タイ対応機能はEssentials Versionが100万円、ベトナム対応機能はEssentials Versionが50万円だ。別途Microsoft Dynamics NAVのライセンス購入が必要。