近畿日本鉄道(近鉄)、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)、KDDIの3社は、自律飛行するスマートドローンを活用した鉄道災害時における線路・送電設備の異常検知の迅速な情報収集に関する実証実験を開始すると発表した。

  • 実証実験イメージ図

鉄道設備の状況把握は、専用車両の走行による点検や、徒歩巡回による目視点検などが主な手法となっており、迅速な被害状況の把握や、効率的な復旧作業が求められている。

近鉄は、総延長距離500kmをこえる鉄道網を保有しており、災害時において、駅間が長い区間や山間部の区間で現地に赴いて状況を把握することは、時間を要するほか、2次災害のリスクも想定される。それらの課題解決のために、長距離自律飛行を可能とする4G LTE対応のスマートドローンを活用すべく、今回の実証実験の実施に至ったという。

同実証実験においてキヤノンMJは、ドローンに搭載したカメラを遠隔から制御する仕組みや長時間の飛行を実現したドローンを提供することで、災害時の鉄道点検業務に求められる、正確かつ広範囲な映像取得を目指す。またKDDIは、ドローンのLTE通信モジュールと運航管理システムを提供し、4G LTE通信ネットワークを活用した長距離区間の自律飛行を目指す。

なお、実証実験は2018年2月以降に開始される予定だという。