富士通は11月29日、ノートパソコンやタブレットを製造している島根富士通で培った、部品のピッキング作業の改善ノウハウを実装したソフトウェア「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA Service ストアピッキング」を、同日より販売すると発表した。価格は47万円(税別)。

このソフトウェアは、倉庫の部品棚(ストア)から運び出した部品を製品の組み立てラインへ供給するピッキング作業において、作業指示をデジタル化することで、部品のピッキング・供給ミスを削減するもの。

従来、作業者は紙に印刷した作業指示書を基に目視で対象部品を確認しながら各部品棚から部品を回収していたが、対象部品を探し出すのに時間がかかっていたほか、部品の取り間違えや指示書の読み間違いなどが発生していたという。

新たに提供するストアピッキングソフトでは、部品をピッキングするための作業指示を事前にCSVファイルで作成し、ソフトウェアをインストールしたタブレットをピッキング部品を載せるカートに装着。作業者は、無線LAN経由でタブレットの画面に表示されたピッキング指示データを見て、どの部品棚にどの部品を取りに行けばよいかをすぐに把握できるという。

ピッキング指示は製品の組み立ての順番に応じて任意に設定でき、作業者は画面に表示される順番に部品をピッキングし、そのまま製品の組み立てラインへ流すだけで、適切な部品供給が行えるという。

  • 「ストアピッキング」を活用したピッキング作業イメージ

また、ソフトウェアはRFIDリーダによるピッキングに対応しており、部品棚に番地や部品番号を示す棚札としてRFIDタグを搭載したカードを設置することで、各部品の所在を示すことができるという。作業者は、腕に装着するウェアラブル端末で部品棚のカードを読み取ることで、両手を使ったスムーズな部品のピッキングを行えるという。

また、誤った部品をピッキングした場合は、ウェアラブル端末のバイブレーションや警告音、カートに装着したタブレットの画面点滅などで直感的にエラーを作業者に通知することができるという。

今後は、2次元バーコードへの対応および工程管理システムや倉庫管理システムとの連携し、インタフェースの実装など、さらなる機能の充実を図るという。