パナソニックは、東京ビッグサイトにて開催されているロボット専門展「2017国際ロボット展」(開催期間:11月29日〜12月2日)の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)ブース内サービスロボットコーナーにおいて、「林業用アシストスーツ研究開発コンソーシアム」が試作した林業用アシストスーツ「TABITO-03」を展示することを発表した。

林業用アシストスーツ「TABITO-03」評価中の様子

林業用アシストスーツ「TABITO-03」評価中の様子

今回、同コンソーシアムが開発した「TABITO-03」は、傾斜面の歩行する林業従事者の筋力負荷を17%軽減できる、林業用アシストスーツ。 足の裏に配置した圧力センサーと各関節の角度センサーで作業者の姿勢を読み取り、 動くタイミングに合わせてモータが駆動する。上り坂では足の振り上げと踏み込みをアシストすることで作業者の体を持ち上げ、て踏み込む足を楽にし、下り坂では膝の動きにブレーキを掛けることで装着者の膝への負担を軽減する。 モータを腰の左右に各1個、膝に各1個の計4個使用し、バッテリーで約3時間駆動する。

造林作業において急峻な山林内での作業を行う際に、林業従事者は急斜面を登山道のように蛇行しながら登って作業現場に向かう必要がある。 この林業用アシストスーツが実用化されれば、体力の消耗を気にすることなく最短距離で上り下りが可能となり、作業効率が大幅に改善される。

林業分野で負荷低減をデータ化したのは今回が初めてだという。また、背負っている苗木や植栽器具など数十キロの荷物の重さをアシストスーツに預けることで、作業者の肩や足への負担がさらに軽減される。今後もさらに検証を進め、造林作業の労働負担を20%軽減できる実用機の早急な開発を目指していくということだ。

なお、「林業用アシストスーツ研究開発コンソーシアム」は、住友林業、森林研究・整備機構 森林総合研究所、ATOUN、奈良先端科学技術大学院大学で構成される。2015年より植栽時に使用する林業用アシストスーツの開発に着手し、2016年より国の支援する5年間の研究プロジェクトとして採択、2025年の実用化を目指して開発を進めている。