ルネサス エレクトロニクスは11月21日、東南アジア地域で初めてとなるGADGET RENESASコンテスト「GR PEACH Embedded Design Contest 2017 in ASEAN」の表彰式をベトナム・ホーチミン市にて行ったことを明らかにした。
同コンテストは、2017年3月から東南アジアを対象に作品コンセプトの募集を開始し、1次選考に残ったコンセプトには、ARM Cortex-Aコア(ARM mbed対応)のMPU「RZ/A1H」内蔵のリファレンスボード「GR-PEACH」を提供し、同ボードを搭載したプロトタイプのビデオによる2次選考を経て、トップ10を選出したもの。
同日開催された表彰式では、応募総数64チームの中から選んだトップ10の内、9チームが参加(1チームは都合により欠席とのこと)。内訳はベトナムから6チーム、シンガポールから2チーム、タイから1チームの参加となった。
1位を獲得したのは、「Autonomous Robot for Indoor Surveillance and Monitoring」と題された作品で、室内監視・モニターの自動ロボットとして、GR-PEACH上にソリューションを構築し、地下やビル内でのリアルタイムでの位置情報把握を可能としたもの。通常、GPSの電波が届かないところではBLEビーコンを使うが、±1.0cmという高精細の位置情報を把握するために、新たに超音波を使用したということが、アイデアとして新しく、また、実際にインプリされプロトタイプとして証明された点が評価されたとのことで、賞金2000ドルが贈呈された。
また、2位には1500ドル、3位には1000ドルが贈呈されたが、ルネサスでは、気候変動やスマート農業などの社会的課題をテーマとした作品が多く見受けられ、日本でのコンテストでは身近な課題がテーマとして多いこととは趣が異なっていることが印象的であったと説明している。
なお、今後は、インドでの開催も予定しているとのことで、東南アジアとインドの隔年開催を計画しているとするほか、ベトナムからの参加者が多かったことから、ベトナム1国のみでの開催も検討していくとしている。