コニカミノルタプラネリウム"天空" in 東京スカイツリータウンが11月22日よりリニューアルオープンする。
2012年のスカイツリー開業と併せてスタートした同プラネタリウムも5周年という節目を迎え、今回のリニューアルが行われた。コニカミノルタプラネタリウムの持田啓介社長は、「単に機械を新しくしたわけではなく、リニューアルを行う以上、コンセプトを重視する方向性を明示した」と説明する。そんな"天空"の新たなメインコンセプトが「Magic Blue(マジック・ブルー)」である。
マジック・ブルーは夕暮れから漆黒の夜空に変わる、いわゆる茜色の空が青に染まる瞬間であり、「毎日同じ風景に見えるガ、その日その日、その場その場、その一瞬ごとに異なる。一緒に来た人と、そうした瞬間を体験してもらって、楽しんでもらう、という思いがリニューアルには込められている」(同)という。
最新鋭ハードが生み出す癒しの空間
今回のリニューアルをハードウェアの面から見ると、星空を再現するスターボールである光学式投映機「Infinium S(インフィニウム S)」の光源を白色LEDに変更することで星の再現性を向上させたほか、星の色味の再現性を高めたほか、全天周デジタル映像システム「Media Globe Σ(メディアグローブ シグマ)」とレーザー式のデジタルプロジェクターと魚眼レンズを組み合わせることで、より高精度な演出を実現した。
また、ハードウェア面での最大のリニューアルとなるのが最新の音響システム「SOUND DOME」の導入である。スクリーンの裏側に43個のスピーカーを配置したほか、床に2個、正面に2個のウーハーを配置した43.4chサラウンドシステムで、「最近のプラネタリウムは、音響を重視するところも増えてきているが、そうした最新型の中でも、ダントツのものを作ろう」(同)という思いのもと、構築され、どこに座っても、その場所に居るようなリアルな音響体験を得ることができるようになったという。
さらに、プラネタリウム前方には3席限定の特別席「三日月シート」を設置したほか、通常シートも座り心地にこだわり、疲れにくい設計として、硬すぎず、柔らかすぎないシートの実現にこだわったとする。ちなみに、各シートには、今回、新たに多言語音声システムが搭載されており、イヤホンジャックにイヤホンを挿入することで、英語、中国語、韓国語でのコンテンツ聴講が可能となった。
このほか、ロビー(ホワイエ)もリニューアルを実施。壁面全体にプロジェクションマッピングが投映されほか、ショップも、前面に配置を変更し、「星空のある豊かな生活」を提案するセレクトショップとなった。
こうした変更の背景には、実は、来館者の多くが女性であるということが挙げられるという。そのため、セレクトショップも「星を愛する女性の部屋」をイメージした構成となっているほか、プロジェクションマッピングのコンテンツも女性メインのものとなっている。
こうした女性を意識した取り組みは、メインコンテンツである上演コンテンツにも現れてる。今回のリニューアル(2017年11月22日)から2018年9月17日の3クールにわたって、リニューアル記念作品「フランス 星めぐりの空で」と「きみを乗せたこの列車の向かう先には美しい星空が待っている~Ticket to Starry Night~」が上映される予定。
2017年11月22日~2018年9月17日に上演される予定の映像コンテンツは、「フランス 星めぐりの空で」と「きみを乗せたこの列車の向かう先には美しい星空が待っている~Ticket to Starry Night~」の2種類で、交互に上映される (C)コニカミノルタプラネリウム"天空" |
中でも「フランス 星めぐりの空で」は、4K映像として制作されたフランスのパリやリオンの街角、モンサンミッシェル、ピック・デュ・ミディ天文台などさまざまな名所から見た満天の星々を、SOUND DOMEによる臨場感あふれる音響ならびにイケメン声優として人気を博す梅原裕一郎氏のナレーションとともに堪能することができるものとなっており、約40分の上演時間中は癒しの空間に身を委ねる感覚となれるコンテンツとなっている。
なお、作品プロデューサーの清水大輔氏によれば、年間80万人の来客があるが、その多くが女性とのことで、中には仕事帰りと思われる女性もおり、そうした人たちに癒しを与えたかったという。また、「SOUND DOMEにより、どこに座っても、リアルな音響を感じることができるようになりました。座った場所によって、異なる体験ができますので、1度だけでなく何度でも足を運んでくれるとうれしいです」とも述べており、今後も、そうした女性へのプラネタリウムという視点からのコンテンツ提供も積極的に行っていきたいとしていた。