Oracleは、AIやHPCアプリケーションなどパフォーマンスが求められるエンタープライズ向けに同社最新X7アーキテクチャに基づいた「Oracle Cloud Infrastructure」の提供開始を発表した。
ビッグデータ解析やAIと高度な計算が要求される領域は広がりを見せるなか同社は、先端ハードウェア環境も取り入れたOracle Exadata X7を10月末に発表している。高速化が図られたInfiniBandによるネットワークや独自のオンライン・トランザクション処理(OLTP/Online Transaction Processing)などOracle Exadataは、最新のx86サーバとストレージに最適化したデータベースワークロードを目指し設計されている。
最新版となるOracle Exadata X7には、AIや科学的シミュレーションなど演算処理向上にも寄与するIntel AVX-512対応のSkylakeアーキテクチャをベースとするIntel Xeon、NVIDIA Tesla P100 GPUなどディープラーニングやビッグデータ処理における高速な演算能力をインスタンスとして提供。CPU/GPU間など高速な通信を実現するNVIDIA NVLINKやNVIDIA Voltaアーキテクチャに基づくインスタンスも順次、開始される。
VM標準インスタンスは、1/2/4/8/16/24コアで提供されるが、ベアメタル標準インスタンスは52コアで提供され新アーキテクチャの能力が数多く搭載される。同社ではクラウド事業者のなかでは、インスタンス当たりで最も多いSkylakeベースのCPU数稼働実現に言及しており、HPC、アナリティクス、AIワークロードを劇的に加速させることが可能になるとしている。
NVIDIA のアクセラレーテッド・コンピューティング担当ゼネラル・マネージャー 兼 バイスプレジデントであるIan Buck(イアン・バック)氏は、「HPC、AI、高度な分析ワークロードは、不足がちな演算力によって定義されつつあります。これらの演算処理を集中させる必要があるワークロードを実行するためには、エンタープライズ・クラスの高速コンピューティングが必要です。即ち、『Oracle Cloud Infrastructure』にNVIDIA Tesla V100 GPUアクセラレータを追加することでそのニーズを叶えようとしています。」と先端分野における演算には高速なコンピューティングが大きく貢献することを述べている。