2017年11月15日~16日にかけて神奈川県・パシフィコ横浜にて開催されている「ET/IoT Technology 2017」にて富士通ブースでは、「組込み機器の新しいカタチ」と題して、FRAM RFIDをさまざまな無線アプリケーションへと発展させる新技術などの展示を行っている。
不揮発性メモリのFRAMは、データ保持用バッテリが不要、データリテンションの電力消費が少ない、汎用EEPROMやフラッシュメモリと比較して書き込み時間が短く消費電力が少ないなどといった特徴をもつ。そのため、エナジーハーベストによる微小起電力のみでデータを書き込むことが可能であり、エナジーハーベスト以外のバッテリや電源が無くてもデータを書き込むことができる。ブースでは、同技術を用いた、UHF帯での無線給電を活用したバッテリレス無線キーボード/リモコンなどが展示されている。
また、圧電素子を用いたエナジーハーベスティング技術とFRAMを組み合わせたセンサデバイスも開発し、これを内蔵したシューズも展示されている。同シューズを履いてランニングすることで電力を発生させ、これによりマイコンとFRAMを動作させ、加速度センサを歩数データとして記録するというもので、データはFRAM内に蓄えられるだけではなく、BLEを動作させスマートフォン送信し、モニタリングすることができるようになっている。
FRAMの用途の一例「バッテリレススマートシューズ」。発電インソール(左)が入ったシューズを履いて歩くと、その振動によって発電され、FRAMが動作し、データがスマートフォンに転送される(右)。得られたデータをグラフ化することによって歩数や活動量などを確認することができる |
なお、これらのバッテリレス無線ソリューションは、ET/IoT Technology 2017を主催している組み込みシステム技術協会の「ET/IoT Technology アワード」において、「IoT Technology 優秀賞」を受賞した。