KDDIは11月16日、携帯電話網を活用したIoT向け通信技術であるセルラーLPWA通信サービス「KDDI IoT コネクト LPWA(LTE-M)」の提供を2018年1月より開始すると発表し、報道陣向けの説明会を実施した。
LTE-M(Cat.M1)は、3GPPリリース13に基づくLTE標準規格。既存の4G LTEネットワークエリアにて利用が可能であることに加え、消費電力が低く電池での駆動が可能になるため、電力やガス、水道などのスマートメータのほか、各種センサ、機器の維持管理、物流といったさまざまな分野での活用が期待されている。
単三電池2本で10年利用可能な通信モジュール
同日発表された、LTE-M(Cat.M1)に対応したIoT利用に適する通信モジュール「KYW01」は、LTE-Mの特徴である低消費電力技術の「eDRX(extended Discontinuous Reception)」と「PSM(Power Saving Mode)」、さらにカバレッジ拡張技術 (Coverage Enhancement)に対応している。これによって、単三電池2本分の電源で10年以上の駆動と、LTEの通信エリアに加えて、山間部や建物の奥などのエリアにおける通信も実現するという。
幅広い利用例~ごみ回収の効率化からマンホールの防犯ソリューションまで~
LTE-M(Cat.M1)を用いることでなにができるか。KDDIは2017年9月、沖縄の試験局でLTE-Mを用いた実証実験を行った。同実証においてKDDIは、沖縄県那覇市の国際通り商店街に、IoTセンサを取り付けたごみ箱を設置。定期的にごみの集積量を管理サーバーに通知することで、ごみの集積量をリアルタイムに把握し、ごみ回収の効率化、回収に関わるコスト削減などにつなげた。
そのほか説明会では、LTE-Mを用いた事例ではないが、LPWAを活用した事例として、日立システムズのテロ行為・スパイ活動の阻止を目的とした「マンホールの防犯・安全対策ソリューション」、日油技研の洪水時の河川の水位変化を観測する「河川水位リモート監視システム」の展示が行われた。今後、これらのソリューションにおいてもLTE-Mの導入を検討しているといい、装置の小型化、通信の安定化などが期待されるとのことだ。
月額40円からの通信プラン
なお、今回発表されたサービスはデータ容量に応じた3種類のプラン(月間10KBまでの「LPWA10」プラン、月間100KBまでの「LPWA100」プラン、月間500KBまでの「LPWA500」プラン)からなり、最も安いケースでは、1つの回線あたり月額40円から利用することができる。