沖電気工業(OKI)は11月15日、 流通小売業界に向けIoTの画像センシング技術とAI・アナリティクス技術を活用した、店舗業務改善支援ソリューション「VisIoT(ビショット)」の提供を開始し、その第一弾となる「レジ適正台数見える化」と「レジ混雑予測」の2サービスの販売を開始したことを発表した。

「レジ適正台数見える化」「レジ混雑予測」の概要

OKIの店舗業務改善支援ソリューションVisIoTは「集める」「見える」「改善する」をコンセプトに、店舗内のヒト・モノ・コトのデータをIoTにより収集・見える化し、 さらにAI・アナリティクス技術を用いたデータの分析・活用によりさまざまな課題を解決して、店舗の業務改善を支援するもの。

レジや品出し、バックヤードでの在庫準備など、多くの人手を必要とする流通小売業の店舗内業務の人手不足が深刻となっている。特に金銭を扱い、来店客との接点となるレジ業務は業務負担が大きく、多くのスタッフ確保が必要となる。また、会計待ちによるレジ混雑は来店客からのクレームが多く、顧客満足を重視すると要員過多となり、逆に効率化を重視するとレジが混雑するといった相反する課題の解決に難しさがあった。

同社は、こうした課題を解決するために、「レジ適正台数見える化」および「レジ混雑予測」サービスの提供を開始した。「レジ適正台数見える化」は、 店舗に設置する画像センシング技術を搭載したOKIの映像IoTシステム「AISION(アイシオン)」と、OKIのマネージドクラウド「EXaaS(エクサース)」上に実装されたAI・アナリティクス技術を用いて、レジの待ち人数を認識してPOSデータとも連携することでレジ開閉のムダ・ムラを見える化し、適正なレジ開閉台数を日毎・時間毎に把握できる。また、過去実績から推奨レジ開局台数を想定し、スタッフのシフト計画最適化を支援する。

また、「レジ混雑予測」は、 来店客の属性情報と買い物時間を認識することでレジへの到達人数を予測、適正なレジ開閉台数を算出し、管理者のスマートフォンに通知する。その通知内容に従うだけで、混み始める前の最適なタイミングでレジの開局指示を行うことが可能で、レジの混雑を事前に防げる。 また、混雑する時間だけレジ要員を増やすなど、要員の適正配置により店舗全体の人時生産性向上を支援する。

「レジ適正台数見える化」「レジ混雑予測」のシステム構成図

なお、OKIは今後、「シフト計画作成支援」、「欠品検知」、「特定人物検出」、「待ち時間予測」など、 VisIoTのサービスメニューを充実していくとしている。また、金融業や運輸業など他業種の店舗業務改善支援にも提供を拡大していくということだ。