ルネサス エレクトロニクスは13日、産業用オートメーション、ビルディング・オートメーション、スマートメータなどのIoT機器へのセキュリティ・ニーズに対応するため、市場で定評のある32ビット・マイクロコントローラ(以下、マイコン)「RX65N/RX651」グループのラインアップを拡充し、サンプル出荷を開始したことを発表した。
RX65N/RX651は、産業用制御システムとネットワーク制御システム向けにセキュリティ機能が強化された。Trusted Secure IPおよびプロテクション機能付加により信頼性を高めたフラッシュ機能を内蔵し、先進的なセキュリティを実現しているほか、高機能なグラフィックス機能、TFTコントローラおよび2Dグラフィック・アクセラレータの搭載によるHMI機能をサポートいているため、工場の内外から機械の動作状態を監視、生産指示の変更のためにデータを交換、機器設定更新のためにマイコンの内蔵メモリの書き換えといったニーズに対応する。
また、高機能なグラフィックス機能とアプリケーション実行のためのTFTコントローラおよび2Dグラフィック・アクセラレータを搭載し、TFTディスプレイの制御を可能にするほか、IIoT向けに最適化されたネットワーク・コネクティビティにより、ディスプレイでファームウェアのアップデートを操作可能。さらに、WQVGAディスプレイ・サイズを選択した場合、640KB(キロバイト)の内蔵RAMをディスプレイ・フレーム・バッファとして使用し、外付けRAMを削減することで、BOM(Bills of Materials)コストを削減できる。
さらに、同製品はバックグラウンドオペレーション(BGO)とSWAP機能をサポートするデュアルバンクフラッシュに対応しており、システム制御機器メーカとネットワーク制御機器メーカによるセキュアで信頼性の高い市場でのファームウェアアップデートを実現する。
なお、Firmware Integration Technology(FIT)により、従来のRXファミリ向けに開発されたソフトウェア資産の流用が可能となっている。同社は、新製品のサンプル出荷と同時に、RXファミリの開発環境を拡張しソフトウェア開発者の開発負荷を軽減するために、評価キット「Envision Kit」やスタータキット「RX65N Renesas Starter Kit (RSK)」も発売する。