Microsoftは2017年11月13日(現地時間)、Microsoft Researchが開発し、オープンソース化した「AirSim」上で自動運転車のシミュレーション機能をサポートしたことを、公式ブログで明らかにした。同社はAirSimを利用することで、現実世界では高額な費用を必要とする自動運転車のアルゴリズム開発を簡易化し、迅速な実験が可能になると強調する。

AirSimによるシミュレーター上での見え方も確認できる(すべて公式動画より抜粋)

AirSimはUnreal Engineをベースに、現実世界の動作検証を行うシミュレーターだが、新たに空中走行車や関連する拡張機能が加わった。あらかじめ米国の街並みを元にした信号灯や公園、建設現場など3D都市データを含み、20以上の都市ブロックをまたぐ運転可能な12キロ以上の道路も含んでいる。

他の移動車両を検知することも可能

AirSimはC++やPythonから呼び出せるAPIを用意しているため、例えばCNTK(Microsoft Cognitive Tool Kit)を用いた深層強化学習も可能。また、新たにコンパイル済みバイナリファイルもリリースした。これらのアプリケーションやデータをオープンコミュニティに提供することで、Microsoftはさまざまな研究者が自動運転車の開発にまつわる諸問題解決を可能にすると述べている。なお、将来的には新たなセンサー機能や気象モデリング、より現実世界を反映したデータの追加を予定している。

シミュレーションデータは逐一トレースできる

一見するとオープンワールド系ゲームに見えのは、Unreal Engineをベースにしているからだ

阿久津良和(Cactus)