11月8日から10日までの3日間、幕張メッセにてIT専門の商談展「Japan IT Week 秋 2017」が開催された。同展では、AIによる業務自動化サービスやビッグデータの活用ソリューション、情報セキュリティなど、10のカテゴリーに分かれて企業が最新サービスを展示。本稿では第7回めとなる「Web&デジタルマーケティングEXPO」にフォーカスして、注目を集めていたブースをいくつか紹介する。

Officeとのシームレスな互換によってビジネス文書で活躍するUDフォント

フォントメーカーのモリサワは、ビジネス文書に適したユニバーサルデザイン(UD)フォント「BIZ UD フォント」を提供するサービス「MORISAWA BIZ+」の紹介を行っていた。

モリサワのブース

BIZ UD フォントは「見やすい」「読みやすい」「読み間違えにくい」をコンセプトに、WordやExcelといったOfficeアプリケーションでの使いやすさに考慮されて開発されたTrueTypeフォント。WindowsOS標準フォントと同様に等幅・プロポーショナルフォントを内包しているので、Officeで一般的に使われているフォントと同じ感覚で使うことができるという。

ビジネス文書において読みやすく正確に情報を伝えられるように設計されているため、たとえば「3」と「8」を読み間違える、濁点と半濁点の判別が難しい、かすれて読めないといった問題が起きるのを防ぐ。また、Office製品との互換性が高いため、ストレスなく使うことができるという。

通常のフォントとUDフォントの違い

現在はBIZ UDゴシックR/ゴシックB/明朝の3書体は無料で利用することができ、新ゴ、黎ミンなど25書体は2018年春に提供開始される予定だ。

顧客属性に応じたマーケティングオートメーション

ジーニーのブースでは、マーケティングオートメーションサービス「MAJIN」の紹介を行っていた。同サービスは、集客から販売促進までのデータを一気通貫で分析し、データドリブンのマーケティングを支援するプラットフォーム。顧客属性のデータを基に、顧客がホームページにポップアップを出してコンバージョンを促したり、顧客行動に応じたシナリオ設計をすることが可能だ。

ジーニーのブース

セミナーに参加ても成約に至らなかったが、半年後にホームページに来てくれた人がいた場合などに、アクセスがあった瞬間に担当者に対してメールを送るといったアクションをすることができるという。

ECにおける競合やトレンドの分析で戦略立案をサポート

アドウェイズは、楽天・アマゾン・ヤフーの人気商品の売り上げを調べることができる「Nint」の紹介を行っていた。

同サービスは、楽天・アマゾン・ヤフーの公開情報から、どんな商品がどの程度売れているか予測して、マーケットの分析を行うことができるサービス。ECモールの市場や競合のショップの分析をすることで、売上アップや在庫最適化、商品トレンドのタイムリーな把握をサポートする。「スポーツ・アウトドア」「インテリア・家具・収納」「家電」といった業種ごと分析や、同業他社の売り上げ、販売構成、広告施策についても分析することができる。

売上の分析画面

商品ジャンルごとのメーカーシェアもわかるので、マーケットにおける自社の位置づけを把握するという使い方もできる。

検索とレコメンドのエンジンを改善し、ほしいものが見つかるサイトへ

ZETAはECサイト商品検索エンジン、レコメンドエンジンを紹介していた。

ZETAのブース

同社では、条件の絞り込みによるサイト検索や、「この商品を買った人はこの商品も買っています」というおススメ、クチコミなどのシステム構築を提供している。

企業ごとにカスタマイズ可能で、小売店であれば店舗ごとの価格設定や在庫の管理も行うことができるという。在庫率や利益率など要望に合わせた商品表示の変更、入力ミスがあっても検索結果を表示する「もしかして検索」などにも柔軟に対応することができる。

サイト内検索システムの導入事例

流入経路や購買特性を把握して、Web広告の効果最大化を図る

大きな「エビスくん」のマスコットが目を引くロックオンのブースでは、マーケティングプラットフォーム「アドエビス」の紹介を行っていた。

同サービスは、複数のWeb広告を出している企業が、どの広告からどのようなユーザーが訪れ、どのルートからコンバージョンに至っているかといった分析を一気通貫で行うことができるというもの。費用対効果の高い広告を把握することで、コンバージョンの重複を防ぎ、Web広告の効果を最大限に高めることができるという。

活用事例の一部

また、実店舗の場合は他社のリサーチ会社と協力して、購買までたどり着いた流入経路を把握することも可能だという。

ブースに佇む「エビスくん」

データの統合から広告シナリオ作成まで、誰でもデータマーケティングを実行できる

フロムスクラッチのブースでは、マーケティングプラットフォーム「b→dash」のデモを実施していた。

マーケティングの分析ツールを導入しても、データが分散しすぎていて使えない、データの統合に大幅な時間を割かなければならない、ツールのリテラシーの高い人しか使えない、といった課題を抱えている企業は少なくないという。同サービスは分散しているデータを統合し、専門的な知識がなくてもマーケティング業務を行うことのできるプラットフォーム。コンテンツの制作からシナリオの設計まで一気通貫で実行することができる。

メールコンテンツ作成画面

シナリオの作成はドラッグアンドドロップでアイコンを設置しながら、条件を決めていくだけ。たとえば、東京都在住の男性のうち、自社サイトのトップページを閲覧した顧客といった条件でターゲティングを行い、配信したメールを開封したか否かで異なる広告アクションを行うといったマーケティング施策を行うことができる。

シナリオ作成画面