クリエイティブな面が注目されがちなテレビ局だが、事務管理を担当するバックオフィスでは、一般の企業と同様に煩雑な業務が積み重なる。アビームコンサルティングは、テレビ朝日が取り組む業務改革の一環としてRPA(Robotic Process Automation)を用いた導入事例を紹介している。
グループ全体の業務改革を推進するテレビ朝日は、グループのBPO(business process outsourcing)サービスを行うテレビ朝日サービスとともにPoC(Proof of Concept:概念実証)の実施を決定、アビームコンサルティングをパートナーに選定し、業務におけるRPA適用を進めている。
多くの人が多様に働くテレビ局。勤務実績管理は、社員の出勤表の入力状況の確認は月初めや月中に厚生労務担当者が確認していたが、入力情報が不足している場合には該当社員にメールで入力を促す。この工程をRPAが代行するプロセスを確立することで確認時間を削減、より重要な業務に時間を割くことが可能になったという。また、グループ内でのシステム間連携もRPAでの代行を実現、システムの新規接続申請に対し、RPAが代行するプロセスを構築することでシステム運用サポート業務の一部自動化を実現、バックオフィスをサポートしている。
フロント業務でもRPAが活躍している。テレビ局ではイベントも多く開催しているが、テレビ朝日では年に一度約一カ月にわたり開催される「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION」を開くが、このイベントのチケットは前売り/当日売り/アトラクション整理券付きなど複数の種類があり、販売ルートも複数に分かれる。従来はスタッフがこれを手入力していたという。テレビ朝日の公式サイトには同イベントの昨年の来場者は544万人と記載がある。必ずしもチケットと連動するものではないだろうが、相当大変な業務であることが推測できる。これらの作業をRPAが代行するのみならず、気象情報などのビッグデータと組合せることでよりタイムリーな施策立案も実現できたという。
アビームコンサルティングは今回、テレビ朝日グループ内で自動化ロボット開発を行う体制づくりや技術者トレーニングなどRPAの総合的支援を行っており、今後も同社生産性向上の支援を行っていく旨を発表している。